同調圧力をかける人は周りにいませんか?
「周りがこうだからお前もこう」と強制されたら嫌ですよね。
ニュースサイトしらべぇのアンケートでは、約3割の人が同調圧力を感じたことがあると答えています。

また、下の年代の方が同調圧力を感じた経験があるようです。

同調圧力をかけられるとどうしてもイライラしてしまうものですが、なぜ同調圧力をかけたがるのかを知ると、うまくかわすことができるようになりますよ。
この記事では、なぜ同調圧力をかける人がいるのか、それをどうかわせばいいのかを解説していきます。
同調圧力のかわし方を知れば、心にゆとりをもって人に接することができるようになりますよ!
同調圧力をかける人の5つの心理

同調圧力をかける人には、共通している心理があります。
心の中を知ると、理解が深まりますよ。
責任を負いたくない
目立ったことやミスがあると自分の責任になってしまうので、周りと合わせてほしいという心理です。
できれば責任は負いたくないというスタンスですね。
例えば、部下が1人だけ違うことをしてミスをしたら上司の責任、生徒が1人だけでも問題を起こしたらそのクラスの担任の責任になります。
このように、目立つ行動を起こされて責任が自分に降りかかってくるのが嫌だから、同調圧力をかけるという行動に出るのです。

自分が正しいと思いたい
自分と同じ意見の人が多いと、それが正しいと感じますよね?
自分の意見に自信がない人は、他人と同じというところで「自分は正しい」と思えるようにしています。
「マウントを取りたい」というのも同じ心理ですね。
抜け駆けされたくない
他人に抜け駆けされるのが嫌で同調圧力をかけてくる場合もあります。
他人と違う行動をとるということは、ネガティブな面もありますがポジティブな面もあります。
他人と同じ行動をしていたら同じ結果しか得られませんが、違う行動をしたらより大きな成功を得られるかも知れません。
このパターンは同僚や同期の間で起きやすいですね。
仲間外れが怖い
仲間外れが怖くて同調圧力をかけるパターンがあります。
同調圧力をかける→自分は多数派→仲間外れにならないという心理ですね。
これは、思春期の友人関係で感じたことがあるのではないでしょうか。
例えば、少しでも違う意見を言ったら仲間外れにされて、同じ意見になったら話してくれるといった感じです。
仲間外れにならないように多数派に周り、同調圧力をかけることによって仲間だということを感じれるのでしょう。

他人の自由を許せない
他人が自分より楽をしているのが許せないという気持ちになり、同調圧力をかけてしまうことがあります。
自分と同じ苦労は相手もすべきという考えです。
例としては、自分の時代は紙に一生懸命メモを取っていたので、スマホで楽にメモをとるなんて許せない!という感じでしょうか。
頑固な考えが影響していることも多いです。

同調圧力をかける人の3つの特徴

同調圧力をかける人には特徴があります。
特徴を知れば、「この人は同調圧力をかけそう」と事前に判断できますよ。
固定観念がある
固定観念がある人は、同調圧力をかけやすいです。
「○○でなければならない」という固定観念があると、一人だけ違う行動をしているのが許せません。
育児は女性がするべきなど、性別に関しての固定観念はまだまだ多いですよね。
主に女性が感じているのかと思いきや、男性も固定観念による同調圧力を感じているようです。
Forbes JAPANのアンケートでは、さまざまな意見が出てきています。

出典:11月19日は「国際男性デー」。生きづらさを感じる男性の声に耳を傾けよう
「私の時代は~」という固定観念を持った先輩・上司には、気を付けたほうがよいかもしれません。


実際には行動できない
同調圧力とは「暗黙のうちに強制すること」なので、実際に行動できない人が取る手段の一つです。
周りを味方につけることで、自分の考えを伝えようとしているんですね。
仲間外れにしたり、影で悪口を言うことが例として挙げられます。
実は行動力がない人の方が、同調圧力をかけやすいんですよ。
正義感が強い
正義感が強い人も同調圧力をかけやすいです。
理由は、他人と違う行動をすることは「悪」だと思い、自分が正さなければいけないと思うためです。
こういう人は、自分のやっていることは正しいと思うため、悪気はまったくありません。
同調圧力をかけるのは嫌な人ばかりではないんです。
同調圧力をかける人がいる2つの理由

同調圧力をかける人の心理や特徴を紹介してきました。
では、なぜ同調圧力をかける人が生まれてしまうのでしょうか。
集団主義を好む文化だから
日本は集団主義を好むので、一人だけ別の行動をしていると気になってしまいます。
みなさんも自分と同じ意見の人がいると、なんとなく安心しますよね?
そのため、みんながやっていることが正しいと思う人が多く、同調圧力をかける人が出てきます。
日本の集団主義は論文でも指摘されていて、以下のような一文もあります。
日本人の集団主義は、“菊と刀“以前にも、欧米の日本観察者によってしばしば指摘されていたことを忘れるわけにはいかない。
引用元:“日本人の集団主義”と“アメリカ人の個人主義”-通説の再検討-
例えば、学校で授業中に内職をしていると先生に注意され、「あいつ何してるんだ…」という空気が流れるはずです。
誰かに迷惑をかけているわけではないのに、みんなと同じように授業を受けることが求められます。
このように、集団主義を好む文化は同調圧力を生む原因の一つになっていると言えるでしょう。
村社会だったから
日本は歴史的に農業を中心とした村社会だったため、お互いに助け合うための秩序が重視されてきました。
秩序を乱した人には「村八分」という仲間外れにする制裁が与えられていたそうです。
今風に言うと、勝手な行動をしたやつは仲間外れにするといった感じでしょうか。
古くからあった思想が、現在の同調圧力につながっている可能性が高いです。


同調圧力をかける人にイライラするシーン3つ

誰しも一度は、同調圧力をかけられてイライラした経験があると思います。
よくあるシーンを具体的に3つピックアップしてみました。
食事や飲み会は来るでしょ?
上司や先輩からの誘いが特に多いケースです。
関係性にもよると思いますが、年上からの誘いは基本的に断りにくいと思います。
ましてや、行けないのが自分一人だったらとても言い出せないですよね…
誘えば来るものだと思っていて、少しでも行かないそぶりを見せれば「みんな来るからあなたも行くよね?」と断れない雰囲気を出してきます。
こっちの気持ちを考えない誘いはイライラしますよね。
とりあえず1杯目はビールでしょ?
飲み会の一杯目にある問題で、年齢が高い人に多く見られるパターンです。。
とりあえずビールと言ってしまいがちですが、もちろんビールが苦手な人もいるので同調圧力だと思う人もいます。
しらべぇのアンケートで「1杯目にはとりあえずビールを飲みたい人の割合」を聞いたところ、年代が上がるごとにその割合が増えていくという調査結果が出ました。
この結果から、1杯目問題については下の年代が同調圧力を感じやすい傾向にあると言えるでしょう。
出典:60代男性の5割が1杯目はとりあえずビール 「同調圧力だ」との避難も
みんな仕事しているのに休むの?
有休を取るときに言われたことはないですか?
「みんなが働いている」から「あなたも働くよね?」という同調圧力です。
有休を取りづらい理由の上位は「雰囲気」や「上司が取らないから」などの、同調圧力を感じる系が占めています。

出典:有給休暇を取得しづらい理由は「職場の空気」が1位に BIGLOBEが「有給休暇に関する意識調査」を実施~同僚は有休取得に実は寛容も、繁忙期の管理職には要注意!~
業務が回らないならまだしも、しっかり準備したのにこんなことを言われるとイライラしますよね。

同調圧力をかける人にイライラしないための3つのかわし方

誰しも同調圧力をかけられてイライラした経験はあるはずです。
そんな時に、イライラせずうまくかわせる方法を3つ紹介します。
これを知っていれば、同調圧力をかけてくる人にいちいちイライラせずに済みますよ!
期待に完璧に応えようとしない
周りの期待に完璧に応えようとしていませんか?
他人の要望に完璧に応えることは無理と言っても過言ではないので、その考えは捨てましょう。
もっと自分のことも考えてOKです。
考え方のヒントとして、アドラー心理学に「課題の分離」というものがあります。
平たく言えば、「他人のことではなく、自分のことに集中しよう」という考え方です。
他人の思惑を気にするのではなく、自分がやりたいことを主張するようにしましょう。
もっと詳しく知りたい人は「嫌われる勇気」という本を読んでみてください。
アドラー心理学の課題の分離の考え方を基にしているので、読んでみるとおもしろいですよ。
【参考】岸見 一郎、古賀 史健(2013)「嫌われる勇気」ダイヤモンド社
イライラした回数を数えてみる
行動を「見える化」すると冷静に自分を見れるようになります。
「今日は10回イライラしたのか。それは息苦しくなるわけだ…」と納得できるようになりますよ。
「見える化」はトヨタが行っているものが参考になるので、興味のある人は読んでみてください。
【参考】松井 順一、佐久間 陽子(2021)「トヨタ流 仕事の「見える化」大全」アスコム
仕事の一つと割り切る
「同調圧力に屈する」ことが仕事ではなく、「自分の意見を言う」ことが仕事だと思ってみましょう。
そうすると、自分の意見を主張しやすくなるはずです。
意見を言うことが仕事だと思えると、同調圧力に屈することが少なくなりますよ。


まとめ:同調圧力をかける人にうまく対応しよう
同調圧力をかけてくる人は、どうしても一定数存在します。
理由は、その人の心理や特徴、日本の集団主義を好む文化によるものです。
他人を変えることは簡単ではないので、まずは自分の行動から変えていくのをオススメします。
本記事で紹介したうまくかわす方法を実践し、イライラすることなく生活できるように行動していきましょう!