「職場の○○さん、気難しいから苦手なんだよな~」
「子どもが言うことを全然聞かないから、何とかしたいんだよな~」
「夫がいつも靴下をそこらへんに脱ぎっぱなしにするからイライラする!」
職場、育児、家庭、どんな場面でも、他人に対して
「あの人、変わってくれないかな~」
と期待してしまうことありますよね。
しかし、世の中は「他人を変えることはできない」という意見で溢れているようです。
そこで、この記事では以下の3つを題材にまとめてみました
- なぜ「他人を変えることはできない」と言われるのか
- 他人を変える方法はあるのか
- 他人を変えられないのなら、自分の考え方を変えてみる
先に結論を申し上げてしまうと、他人を変えることは難しいことです。
しかし、可能性は「0」ではないと考えていますので「他人を変える3つの方法」を試してみてください。
なぜ「他人を変えることはできない」と言われるのか
「あの人に変わってもらいたいな~」
そう願っていても、人間はなかなか変わらないもの。
こちらから働きかけたとしても、そう簡単には変わるものではありません。
ではなぜ「他人を変えることはできない」と言われるのか、考えてみようと思います。
「他人を変えることはできない」と言われる要因には以下の2つが考えられるでしょう。
- 性格は生まれつきと、環境で決まるため
- 人間は「自分」が一番大切でかけがえのない存在だと思っている
人間の性格は、遺伝で50%と、残りは生まれ育ってきた環境で決まると言われています。
生まれ持った素質に加えて、周りの環境や影響により、小さいころから形成されるので、それを大きくなってから他人が変えようとするのは、少し難しいことかもしれません。
三つ子の魂百まで(性格は大人になっても変わらない)ということわざも、古くからありますよね。
そして、人間は「自分」が一番大切でかけがえのない存在だと思っています。
一番大切でかけがえのない「自分」を、他人に何かを言われたからといって、簡単に変えようとは思えないでしょう。
アメリカを代表する組織経営学者のチャールズ オライリー氏も著書「隠れた人材価値」で以下のように綴っています。
たいていの人間は、自分が他人とは違うことをしているとか、自分は掛け替えのない人間だと思っていたいものだ。自分のしていることが無価値だとか、自身の拠った立つ価値観に抵触することをしていると本気で思っていたら、だれでも意欲は萎える
引用:隠れた人材価値 (Harvard Business School Press)
このように、生まれながらの素質や周囲の環境、「自分」がかけがえのない存在だと信じていることが「他人を変えることはできない」と言われている要因なのではないかと考えます。

しかし、あなたは誰かの意見や助言で、意見や選択を変えた経験はありませんか?
「上司が○○にするから、私も○○にしよう!」
「あのモデルさんの髪型かわいいから、真似してみよう!」
「ライブに行ったら、カラオケに行きたくなった!」
みなさんにも、このような経験が1度はあると思います。
他人を変えることは難しいことですが、可能性は「0」ではない、ということになりますよね!
では、具体的にどうすれば他人を変えることができるのでしょうか?
次の項目では、他人を変えることができるかもしれない!方法を紹介します。

それでも他人を変えたい!他人を変える3つの方法
前の項目では「他人を変えることは難しいことですが、可能性は「0」ではない」とお伝えしました。
では、他人の生まれながらの性格や価値観に対して、どのように訴えかけることで、それらを変えることができるのでしょうか。
その方法は以下の3つになります。
- I(アイ)メッセージ
- メリットを伝える
- 自分の影響力を高める
これら3つの方法を用いることで、他人の心を動かし、変えることができるかもしれません。
2-1.I(アイ)メッセージ
他人を変える方法1つ目は「I(アイ)メッセージ」です。
アメリカの心理学者である、トマス・ゴードン博士の「親業」で述べられたコミュニケーション法の1つになります。
「私」が主体となる表現方法を用いることが特徴的です。
【Iメッセージの特徴】
主語を発信者にすることによって、受信者本人ではなく
受信者の行動に対する感情を伝えることができる。
そのため、受信者はそのメッセージを受け入れ易く、
行動の変化を促すことができる。
引用:人材マネジメント用語集 You・I・We メッセージ
例えば以下のようにして、相手に伝えます。
「(お前な~!)静かにしろよ!」
→「私は、あなたが静かにしてくれたら仕事がはかどるよ」
「(あんたは)はやく宿題しなさいよ!」
→「私は、あなたが宿題をしてくれたら安心するのよ」
「(アナタ!)靴下は脱ぎっぱなしにしないでよ!」
→「私は、アナタが靴下を脱ぎっぱなしにしないで洗濯機に入れてくれたらすごく助かる」
「私」にフォーカスを合わせて気持ちを表現してみましょう。
そうすることで、相手に注意、命令、指示などをせずに、こちらの言いたいことを伝え、行動を促せるのです。
しかし、実際にお願いを聞いてくれるかどうかの選択権は相手にあり、依頼者が「助かる」と言っているのなら願いを聞くかもしれませんし、そのまま無視する可能性もあります。
注意、命令、指示をするのではなく、行動をするかどうかの選択権を相手に渡すことがこの方法のやり方です。
2-2.メリットを伝える
他人を変える方法2つ目は「メリットを伝える」です。
ただ、相手に注意、命令、指示などを送り続けても、相手にメリットがなければ動いてくれないでしょう。
そんな時は、メリットを伝えてあげることで、行動を促すことができるのです。
例えば以下のようにして、相手に伝えます。
「勉強しなさい!」
→「勉強したら成績が上がっていい学校に入れて、いい会社に勤められるよ」
「片づけなさい!」
→「片づけたらお部屋も心もスッキリして気持ちいいよ」
「野菜を食べなさい!」
→「野菜を食べたら脳卒中や心臓病になる確率が減るよ」
「○○するとこんなメリットがあるよ」と伝えると、不思議とやる気や興味関心が沸いてくるのです。
「ダイエットしなよ!」
と言われるよりも
「ダイエットをすると、いろんなファッションが楽しめるし、ボディラインもスッキリしてキレイにみえるし、自分に自信が持てるし、周りからも一目置かれるし、病気のリスクが減って健康になるし、そんな風になってくれたら私は嬉しい!」
と言われた方がダイエットを始めてみようかな?と思えるはずです。
2-3.自分の影響力を高める
他人を変える方法3つ目は「自分の影響力を高める」です。
ここで、改めて「影響力」の意味を見てみましょう。
影響力の意味は以下の通りになります。
他に働きかけ、考えや動きを変えさせるような力。
引用:goo国語辞書
例えば、芸能人、モデル、歌手、スポーツ選手、YouTuber、インフルエンサー、歴史上の人物などの言動を見て、心を動かされたり、意見を変えたことがある人が多くいると思うので「影響力が高い」と言えるでしょう。
モデルさんを見て「あの人のメイクかわいいから、挑戦してみようかな!」と感じたり、
インフルエンサーが言っていたこと聞いて「運動を習慣化すると良いと言っていたから、始めてみよう!」と感情を揺さぶられたりした経験がある人も多いはずです。
では、私たちのような一般人は、どのようにして影響力を高めればよいのでしょうか?
まず、影響力を高めるには「自己肯定感」を高めることが大切です。
自己肯定感を高めることで、言動に自信が持てるようになってきます。
言動に自信が持てるようになると、一貫性のある言動を貫けるようになれるのです。
言動や発言にブレのある人間は「信用」が無くなってしまいます。
- 背筋を伸ばし、ハキハキとした発言の上司
- 猫背で、モゴモゴと発言している上司
信用があって、着いていきたいと思えるのは、上の上司ではないですか?
「信用」は他人を変えるために、必要な要素になるのです。
なので、自己肯定感は「影響力」を持っている人、または持ちたい人には必要な感覚で、自己肯定感が低いと信用を得ることもできず、影響を与えることもできません。
習慣力エキスパートの三浦将氏は、 PHPオンライン衆知で「自己肯定感は、万人に必要な感覚ですが、リーダーや管理職など、人に然るべき影響を与えることが、活動や業務の中で求められる立場の人たちにとっても、とても必要な感覚」と語っています。
このように、「影響力」を持つことで、他人を変えることができるのです。



「他人を変えることはできない」のなら、自分の考え方を変えてみる
上の項目では、他人を変える方法を3つほど紹介しました。
しかし、その3つを試しても他人を変えることはできなかった場合は、「自分の考え方」を変えてみる、というのも1つの手!
他人を変えることは難しいので、変わってもらうのはやめて、自分の考え方を改めてみるのです。
「他人を変えるならまずは自分から」という言葉もありますよね。
世界の偉人達も、「他人は変えられない」と言っているのです。
例えば、カナダの精神科医 エリック・バーンは「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる。」と発言していたり、
個人心理学の創始者 アルフレッド・アドラー もこのように語っています。
「健全な人は、相手を変えようとせず自分が変わる。
不健全な人は、相手を操作し、変えようとする。」
では、どのように自分の考えを変えればいいのかというと、以下の3つがあります。
- 期待しない
- 無関心になる
- 割り切る
他人を変えることに限界を感じたら、自分の考え方を変えて生きた方が、余計な労力を使わずに済みますよ。
3-1.期待しない
他人に対して「期待しない」ようにしましょう。
人間関係でイライラしてしまうのは、あなたが他人に対して「期待」してしまうからです。
「あの人なら、変わってくれるだろう」
「あの人なら、○○してくれるだろう」
「あの人なら、優しく教えてくれるだろう」
人間はこのように、他人に対してつい「期待」してしまう生き物。
ましてや「性格は変えることが難しい」と知っておきながら、「変わってもらいたい」と「期待」するのは、少し押しつけがましいことでもあります。
いっそのこと、「変わってもらう」という期待を捨てましょう。
「○○したら、△△してくれる」といった、自分の価値観で物事を判断することをやめれば、期待しない生き方ができます。
他人に対して「期待しない」心構えができたら残りの二つも試してみてください。

3-2.無関心になる
他人に対して「無関心」になってみましょう。
相手のことを気にかけないようにしてみるのです。
一切干渉もしません。
そうすることで、相手の事も気にならなくなってきます。
とくに人間関係の悩みが尽きない職場では、他人の言動に振り回されずに自分のことに集中できるようになると、行動心理士の長谷川ミナさんは綴っています。
3-3.割り切る
他人に対して「割り切る」ことも大切です。
「職場だけの人間関係だから諦めよう」
「子どもは大人の言うことを聞かないものだ」
「大人はうるさく怒るものだ」
このように「他人を変えることはできない」と割り切ってみましょう。
とくに、職場での人間関係の場合、家に帰ってもずっと頭の中がモヤモヤしていることはありませんか?
割り切ることができれば、仕事とプライベートの時間にメリハリをつけることもできますし、精神的にも余裕ができます。
また「職場で出会う苦手な人との付き合い方」を調査したアンケートでは、苦手な人に対して「仕事だと割り切る」という回答が「72%」と、1番多かったのです。
「人間関係が良くなるはず!」
「あの子は変わってくれるはず!」
などと期待してはいけません。
仕事や育児など、何事においてもずっと「楽しい」「面白い」と思えることばかりではないです。
「これも含めて仕事なんだ」
「これも含めて育児なんだ」
などと、基本的に楽しいことばかりではないと、ハードルを下げてみましょう。


まとめ:他人を変えることは難しい!けど可能性は0じゃない!
他人の性格や心理を変えることは、簡単なことではありません。
人間も千差万別なので、注意し、諭すことであっさりと「はい」という人もいれば、そうでない人もいます。
しかし、誰かに影響されて、自分の意見や言動を変えた経験は誰にもあるはずです。
そのため、他人を変えられる可能性は「0」ではないでしょう。
他人を変えたいと思ったときは、予め他人に対して「期待しない」ことを前提にし、今回紹介した3つの方法を試してみましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!