「自分の価値観を問われると、何なのかよくわからない」
「価値観を知るにはどうしたらいいんだろう」
「自分の軸となるものを見つけたい」
「価値観は何か?」と聞かれて、返答に困ってしまうときはありませんか。
自分の価値観が見つからず、悩む人は少なくありません。
大切なものや自分だけの軸を見つけて、堂々と考えやビジョンを述べている人を見ると、羨ましい気持ちにもなるでしょう。
しかし、自分の価値観は、誰にでも必ずあるのです。
そこでこの記事では、自分の価値観を知る方法を4つ紹介いたします。
どれも客観的に自分を分析するためのよい材料にできますよ。
気になる方法があったら、実際に取り入れて自己理解を深めてみてください。
前向きに生きるヒントもきっと見つかるでしょう。
1.そもそも価値観とは何か?

自分の価値観を知る前に、まずは「価値観」そのものの意味を理解しておく必要があります。
辞書での意味はこちらです。
価値観とは、簡単にいえば「何に価値を見出すか」という感じ方を意味する表現。美しい、正しい、心地よい、優先するべき、理想とするべき、というような、価値判断の基準を指す語。
引用:weblio辞書
そして、辞書の意味をふまえて、私たちが認識している意味はこちら。
- 自分らしさを表現するもの
- 自分にとっていちばんの強みを示すもの
- 幸せの源となるもの
つまり、価値観を知るということは、自分の大切なものや幸せを作ってくれるものを見つけるということです。
自分の価値観を知っているだけで、生き方も大きく変わると捉える方もいます。
2.自分の価値観を知る方法を4つ紹介

では、ここからが本題です。
自分の価値観を知る方法を知って、実践してみましょう。
身近なものから、少しだけ専門的な方法まで4つお伝えしますので、お好きな手段で取り組んでみてくださいね。
2-1.自分に質問してみる
まずは、自分自身に質問を投げかける分析方法です。
「それだけ?」と感じる方もいるかもしれませんね。
しかし、質問するといっても、じっくり考えないと答えるのが難しいものばかりです。
きっと、これまでの人生を振り返ったり、未来を考えたりするためのよいきっかけにもなるでしょう。
質問する方法は2種類あります。
- 6つの質問で分析する方法
- 10個の質問で分析する方法
丁寧に時間をかけて自己理解を深めたい方は、6つの質問方法をためしてみることをおすすめします。
2-1-1.【じっくりと自己分析をしたい人向け】6つの質問を使った分析方法
6つの質問方法は、メンタリストDaiGoさんが紹介していた方法です。
以下6つの質問の回答をまずは考えてみてください。
- あなたはどんな価値観で育てられましたか? 自分のいまの思考体系は、それらの価値観を反映しているものですか、それとも育てられた価値観とは違う視点で世界を見ていますか?
- 幼い頃や思春期における最も重要な出来事および経験は何ですか? それらが自分の世界観にどう影響を与えましたか?
- 職場や私生活で、どんな人たちを一番尊敬していて、その人たちのどんなところを尊敬していますか?
- 一番尊敬していないのはどんな人で、なぜそんな風に思いますか?
- これまでで最高(最悪)の上司は誰ですか? そう思うのは、その上司が何をしたからですか?
- 自分の子供を育てたり、他人を指導するにあたり、一番伝えたいのはどんな行動で、一番伝えたくないのはどんな行動ですか?
参照:ターシャ・ユーリック『insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』英治出版、2019年
質問に答えたら、次は80個の価値観リストに記載されている項目を「最重要」「重要」「普通orいらない」にひとつずつ振り分けます。
<価値観リスト>
価値観リストの元(英語):Personal Values Card Sort
振り分けたものの中で「最重要」となったものがいくつになるか数えてみましょう。
10個より多ければ減らし、10個よりも少なければ10個になるように増やします。
そして、選ばれた10個の「最重要」の中でさらに順位決めをしてください。
完成したら、あなたの大切な軸となるものが自然と集まっています。
- 10個の順位が決まったら、音読をして違和感がなく受け入れられるか考える
- 10位以下のもので、10位にランクアップできるものがないかもう一度探る
何度もチェックして「これでいいや」と思えたものが、あなたの価値観となる要素です。
2-1-2.【時間がない人向け】10個の質問を使った分析方法
そして、もうひとつはまとまった時間を確保するのが難しい人向けの「10個の質問」を使った方法です。
これは、「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方」の著者の八木仁平さんが提唱した方法で、以下の質問に答えることで自己分析ができます。
- 会った時に刺激を受ける人は誰ですか?それはなぜですか?
- これまでの人生で大きな決断をしたときに大事にしていた判断基準はなんですか?
- これまでの人生で一番努力した経験は何ですか?
- 親の生き方のどこが好きで、どこが嫌いですか?
- 嫌いな人、苦手な人はだれですか?(どんな人ですか?)
- 育った家庭の教育方針は何ですか?
- 好きな有名人、周りの人、キャラクターは誰ですか?なぜ好きですか?
- これまでで一番感動した出来事は何ですか?
- これまで読んできた本の中で一番好きなものは何ですか?
- 死んだあとに周りの人にどんな人だったと言われたいですか?
これらの質問に答えることで、あなたがこれまで大切にしてきた考えや好きなことが見つかる仕組みです。
ぜひメモを用意して、書きながら答えてみてください。
2-2.本を活用してみる
次に、書籍を読みながら自己理解をしていく方法です。
読みながら、実際に自分のことを書き出せる本もありますので、活用してみましょう。
また、モーニングページやジャーナリングを学び、脳内で抱えている問題や気持ちをはき出して整理することもおすすめ。
モーニングページとジャーナリングは、いずれも3分間、心に浮かんだ言葉を書き出す手法です。
転職やキャリアアップにもお悩みなら、ビジネスに活かせる書籍もあります。
あなたがよいと感じた本に素直に手を伸ばしてみてくださいね。
きっと、自分では考えつかなかった新しい発見や、自分の魅力に気づけるでしょう。
2-3.そのほか専門的なテストを受けてみる
自力で考えるのはどうしてもうまくいかない、という方は、心理学のテストを受けてみてはいかがでしょうか?
アンケート形式の質問に回答するだけで、あなたの性格をデータとして分析してくれるテストが一般的です。
客観的な視点で自分の性格を診断してもらえますので「得意」「不得意」や「クセ」なんかもわかるかもしれません。
有料、無料と、さまざまな診断テストが世の中には存在しています。
代表的なものを3つ載せておきますので、興味がありましたら試してみてくださいね。
- クリフトンストレングス・テスト
→1時間かけて177の質問に答える有料の診断テスト
自分にしかできない34の資質がわかる - エムグラム(超精密性格診断)
→900万人以上に利用されている世界的な性格診断テスト
自分の性格を表す8つのハッシュタグを作成してくれる - 16Personalities(無料性格診断テスト)
→質問に答えることで16の性格タイプのどれに当てはまっているかを診断できるテスト
12分程度で完了する

2-4.価値観マップを作ってみる
最後に、「価値観マップ」を作る方法です。
価値観マップとは?
マインドマップを使って、自分の軸となるものを図式化したもの。
YouTubeなどで知られるリベラルアーツ大学が提唱した方法。
価値観マップを作成するには、以下の質問に対する回答を専用のツールに入力していきます。
- 自分にとっての幸せは何なのか
- 何を大切にして生きているのか
- 何をどうしたくてここにいるのか
- やりたい30のこと
引用:リベラルアーツ大学『【自由な人生】への第一歩は「人生の羅針盤」を作ること!価値観マップの作り方』
入力に使用するツールとして、マインドマップを作成できる「Mindmeister」というソフトが推奨されています。
もちろん、使い慣れているツールを使用したり、手書きで作成したりしても問題はありません。
取り組みやすい方法で図を作ってみましょう。
ただし、「やりたい」気持ちを優先することは意識してください。
「やらなくては!」「〇〇するべきだから」といったあなたが抱えている責任などはいったん置いておき、自分の感情を素直に単語にしてみましょう。
ある程度図ができたら、ほかの人にも見せて納得がいくまで修正します。
何度も見直して「できた!」と思えたら、完成です。
あなたが大切にしている価値観がひと目でわかるマップができあがっていることでしょう。

3.なぜ自分の価値観を知る必要があるのか

自分の価値観を知る方法をお伝えしました。
しかし、なぜこんなにも価値観にこだわる必要があるのでしょうか。
実は、自分の価値観をわかっているかどうかで人生の幸福度や生きやすさが変わるのです。
ここでは、自分の価値観を知っておくべき3つの理由を紹介します。
3-1.自分が大切にしたいことを知れるから
まずは、自分にとって大切なものがわかるから。
大切なものがあると、人はそのために頑張れるものです。
あなたが困ったときや、行き詰まったときに助けとなる要素にもなり得ます。
大切なことを理解しておくことは、自分を守ることにもつながると言えるでしょう。
3-2.価値観に合った目標があると幸せな生き方ができるから
次に、価値観がわかると、目標も明確にしやすいから。
自分にとって大切なものや、軸となるものがあると、それに沿った目標設定ができます。
例1)
歌を歌っているときが幸せ
↓
歌手になりたい
↓
歌手になるためにボイストレーニングに行く
例2)
英語の授業が一番楽しい
↓
英語を使った仕事をしてみたい
↓
英語を使った職業につく方法を調べる など
どんなに歌がうまくても、人から「歌手になりなさい」ときつく言われたら、きっと歌手になる気分も半減しますよね。
自分で自分の「やりたい」をかなえるほうが、何倍も充実度が上がりますし、達成感や幸福度も高まります。
幸せな人生を送るためにも、価値観は知っておいて損はありません。
3-3.他人の価値観で生きると心が苦しくなるから
そして、自分の価値観を見つけられずに過ごしていると、他人の価値観に左右されてしまうから。
生きている以上、ほかの人と一切かかわらずに生きていくのはとても難しいものです。
少なからず、周囲の価値観に影響されることもあるでしょう。
他人の考えに無理やり賛同させられたり、やりたくないことをするハメになったりするときもあるかもしれません。
そして、他人の価値観で生活しはじめると、心がその人に支配されてしまい、次第に苦しくなっていきます。
ときには、自分のために使うべき時間も他人もために費やして、ムダにしてしまうケースも。
しかし、自分の価値観をきちんと理解している人は、他人に流されません。
自分の意志で行動を選び、考えを述べます。
価値観を知ることは、他人に支配されない人生を送るためにも必要なことなのです。


4.自分の価値観がわかったらすべきこと

最後に、自分の価値観を知れたらすべきことが2つあります。
- 価値観の分析でわかったことを元に目標を決めること
- 行動に移したら、かならず反省&見直しをすること
4-1.価値観の分析でわかったことをもとに目標を決めること
「価値観がわかって満足」では、現状のままです。
時間をかけて理解した自分の性格や軸を元に、これから何をすべきか書き出してみましょう。
大きな目標から、それを達成するための小さな目標まで、とにかくこまかく決めていきます。
目標が定まったら、行動を細分化し、小さいレベルのことから実際におこなってみましょう。
また、目標や行動内容は、事前に声に出してみるのがおすすめです。
声に出すことで「自分は〇〇になるために、これをする!」とより強い意志を持てます。
4-2.行動に移したら反省&見直しをすること
そして、行動に移したら、自分の活動をきちんと振り返りましょう。
「うまくいった」「イマイチな方法だった」など、良かった点以外に、きっと反省点も見つかるはずです。
改善すべきところは、また目標に組み込み、見直します。
目標→実施→評価→改善のサイクルを作って、より自分の価値観に近づけるような生活を目指しましょう。
このサイクルはPDCAと言って、ビジネスの世界で広く活用されています。
自力でPDCAを回すのが難しい方は、書籍などを活用して取り組んでみるのもよいですね。
5.(まとめ)自分の価値観を知ったらすぐにでも行動しよう
自分の価値観を知る方法と、その理由を解説してきました。
- 自分へ質問を投げて軸を見つける
- 本を読んで書き出す
- 性格診断テストを受ける
- 価値観マップを作成する
どれも、難しい方法ではありません。
今すぐにでも実行できます。
しかし、しっかりとした自分の価値観や軸を見つけるまでには、時間も必要です。
めんどうだと思っても、自分と向き合う時間を確保しましょう。
また、価値観が把握できたら、目標を立てて行動に移します。
ようやく見つかった自分の軸を人生に役立てましょう。
ここで行動できるかどうかが、今後の人生に大きく影響します。
価値観を知って満足するのではなく、価値観を具現化させて幸せな人生を作り上げてくださいね。


