「自分は一体何者なのだろう」
「自分のアイデンティティがわからない」
このような悩みを抱えていませんか?
思春期にはだれもが抱える悩みなのですが、20代になっても悩み続ける人もいます。
自分のアイデンティティがわからなくなった時は、自己を確立させるための方法を実践してみてはいかがですか?
「これが私」という感覚が得られると、そのような悩みは解決するかもしれません。
この記事では、自分のアイデンティティがわからない時に、自己を確立させる6つの方法について解説します。
本来の自分を取り戻すための参考になるかもしれませんので、ぜひ最後までご覧ください。
1.自分のアイデンティティがわからない時は?自己の確立方法6選

自己を確立するためには、自分のことを知ることが大切。
自分を知り受け入れることで、本来の自分を取り戻すのです。
以下6つの自己の確立方法について見ていきます。
- 自分の行動を振り返る
- 自分の価値観を知る
- 自分の強みと弱みを知る
- 自分の考えを持つ
- 自己肯定感を高める
- 他人と自分を比べない
それぞれ掘り下げていきましょう。
1-1.自分の行動を振り返る
自己を確立するための1つめの方法は、自分の行動を振り返ること。
振り返ることで、客観的に自分を見て効果的に修正できるからです。
効果的に振り返るには、以下の方法が有効。
- 毎日の中で10分程度でも良いので振り返る時間をつくる
- 振り返る質問を事前に決めておく
- 日記やSNS、通勤途中やジョギング中に考えるなど、自分に合った方法を取り入れる
一日の行動を振り返る習慣をつければ、「なぜそのような行動をしたのか?」と自分に目を向け、自分に対しての理解を深めることにつながっていきます。

1-2.自分の価値観を知る
自己を確立するための2つめの方法は、自分の価値観を知ること。
「自分は何を大切にするか」をどれだけ深く理解するかで、幸福度が変わってくるからです。
自分の価値観を知るためには、自分について見つめたり考えたりする必要があります。
そして自分の価値観を知ると、以下の効果があらわれるでしょう。
- 安心感や自信が持てる
- 悩みの解消やストレスに対処できる
- 意見をハッキリと言える
- 適切に意思決定できる
- 適切な目標設定ができる

価値観は、自分らしさを最も象徴するもの。
つまり価値観を知ることは、自分らしさを知るための有効な手段なのです。

1-3.自分の強みと弱みを知る
自己を確立するための3つめの方法は、自分の強みと弱みを知ること。
自分の強みと弱みを知ることで自己理解が深まり、ものごとをうまく運べるようになります。
自分の強みと弱みを知るためのポイントは、強みだけをつかむこと。
強みと弱みは表裏一体のため強みだけ把握していればOKで、その逆が弱みなのです。
自分の強みを知るためには、過去の自分を振り返る時に以下の点を意識してください。
- なりたい理想の姿に向けて自分なりにどう考えたか?
- 具体的にどのような行動を起こしたか?
- トラブルやアクシデントをどう乗り越えたか?
- うまくいかなかったことをどう分析したか?

1-4.自分の考えを持つ
自己を確立するための4つめの方法は、自分の考えを持つこと
人生は毎日が選択の連続です。
それらの選択に対して答え続けるには、自分の考えを持つこと、すなわち自分軸を持たなければいけません。
例えばあなたが新入社員で、あなたを含む新入社員5人が上司から仕事を依頼された場合。
他の4人が進める仕事のやり方に違和感があれば、自分の意見を主張して自分のやり方をつらぬけばいいのです。
「〇〇さん(上司)が求めているのは、皆のやり方ではなく、このやり方だと思う。したがって僕はこのやり方でやる。」
結果として、そのやり方が望まれたやり方でなかったとしても、自分の考えで判断し実践することが重要。
何度も繰り返すことで、適切な判断ができるようになるでしょう。

1-5.自己肯定感を高める
自己を確立するための5つめの方法は、自己肯定感を高めることです。
アイデンティティを失っている時、人は自信をなくしてネガティブな状態に陥っています。
自分には価値がない、と自己否定している状態なのです。
文部科学省の調査からも、日本人の自分に満足していない傾向は、諸外国に比べて顕著です。

出典:文部科学省「『高校生の生活と意識に関する調査』における国際比較」
「こんな自分でもOK」と思えるように、自己肯定感を高めることが大切になります。
自己肯定感を高めるには、以下のステップを踏むと良いでしょう。
- 「気づく」ステップ⇒「私は何をやっても失敗する」
- 「受け入れる」ステップ⇒「私は何をやっても失敗する」と今は思い込んでいる
- 「許容する」ステップ「⇒私は失敗してもまた取り組んでいい」
このように、「気づく」「受け入れる」「許容する」のステップを繰り返すことで、自己肯定感は高まります。


1-6.他人と自分を比べない
自己を確立するための6つめの方法は、他人と自分を比べないこと。
他人と比べてしまう人には、以下の心理が働いています。
- 自分に自信がない
- 人からほめられたい
- 周りの評価を気にしてしまう
どうしても他人と比べてしまう人は、比べる対象を他人から自分に置き換えてください。
昨日までの自分と比べて今の自分はどうなのか?と考えることで、自分の成長のみに注力できます。
結果、「自分は今こういう状態なんだ」と常に自分を深く知るのです。

2.アイデンティティがわからない自分にさようなら|効果的な性格診断2選

自分のアイデンティティがわからず悩んでいるなら、まずは自分の性格を知ることから始めてみてはいかがですか?
自分の性格を知るために、効果的な以下2つの手法を紹介します。
- エゴグラム性格診断
- ビッグファイブ性格診断
まずは自分の特性を知り、そのうえでこれからどうするかを考えてみるのをおすすめします。
それぞれ見ていきましょう。
2-1.エゴグラム性格診断による自己の確立
自分の性格を知る時によく使われるツールが、「エゴグラム診断」です。
エゴグラム診断とは、アメリカの精神科医エリック・バーンが考察した理論を活用したもの。
自分の性格を「5つの自我」の状態に分けて、それぞれの優位性を見て診断する方法です。

出典:関東労災病院治療終就労両立センター「保健指導によるエゴグラムの活用について」
エゴグラム診断では、以下の5つの性格にわかれます。
CPタイプ(批判的な親「厳しさ」) | 義理堅くしっかりもので、約束事を守る責任感を大切にする傾向、使命感の強さからリーダーシップを発揮する(プロジェクトリーダーや職人向き) |
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NPタイプ(母性的な親「優しさ」) | 困っていることがあると見過ごせない優しさ、相手の立場に立って対応できる能力に優れている(看護士や教師、介護士向き) |
Aタイプ(理想的な大人「客観性」) | 冷静沈着でものごとを客観的、理論的に考えられる、仕事や生活を共にする相手に信頼と安心感を与える(エンジニアやCEO、会計士向き) |
FCタイプ(自由な子ども「素直・自由開放」) | ものごとをポジティブに考え楽しめる、グループの盛り上げ役やムードメーカー的な役割を任される(販売員や接客業、モデル向き) |
ACタイプ(従順な子ども「協調性」) | おとなしく控えめで常に気配りができる、あまり自分の我を出さず、上司や同僚を立てられる(公務員や総務課、秘書向き) |
エゴグラムは、自分の性格や特性を知るためのツールとなります。
エゴグラム診断は手軽にできるので、一度試してみてください。
→Direct Communication「エゴグラム性格診断」はこちら
2-2.ビッグファイブ性格診断による自己の確立
自分のパーソナリティを知るうえで、有効な2つめのツールが「ビッグファイブ診断」。
アメリカの心理学者であり、オレゴン大学の名誉教授であるルイス・R・ゴールドバーグが提唱した理論に基づいたパーソナリティ診断です。
ビッグファイブ診断とは、人の特性は下記5つの因子に分類され、5つの因子によって性格や行動に特徴が出るというもの。

ビッグフィアブ診断では、以下5つのパーソナリティに分類されます。
開放性(Openness)が高い人 | 新たなアイデアを生み出すことが好きで想像力豊かで革新的な人 |
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外向性(Extraversion)が高い人 | 社交的で人との関りを好みリスクやスリルを楽しむ人 |
協調性(Agreeableness)が高い人 | 協力的で他人に親切、争いや対立を避ける人 |
誠実性(Conscientiousness)が高い人 | 責任感が強く、達成能力が高くてこだわりの強い人 |
神経症的傾向(Neuroticism)が高い人 | 緊張や不安、ストレスの多い環境に身を置くと、精神的にも身体的にも影響が出る人 |
ビッグファイブ診断も15分ほどで手軽にできますので、一度試してみてください。

3.そもそもアイデンティティ(自己の確立)とは?

ここまで、自己を確立する方法について見てきました。
そもそもアイデンティティ(自己の確立)とはどのような概念なのでしょうか?
以下3つの切り口で、解説します。
- アイデンティティとは「自分らしさ」を知ること
- エリクソン8つの発達段階と心理的課題
- アイデンティティクライシスとモラトリアム
3-1.アイデンティティとは「自分らしさ」を知ること
アイデンティティとは「自分は何者なのか?」という問いに対する自分の中の答えで、「自分は何者である」という感覚です。
日本語では「同一性」、「自己同一性」と訳されます。
アイデンティティは「自分が自分である自覚」なので、「他の人と比べて違う性質」の個性とは異なるのです。
3-2.エリクソン8つの発達段階と心理的課題
アイデンティティはアメリカの精神科医エリク・ホーンブルガー・エリクソンによって、理論的な言葉として定着しました。
エリクソン氏は自我の8つの発達段階と、それに伴う5つの課題について、以下のように結論付けています。

エリクソン氏はアイデンティティについて明確に定義しておらず、多角的で動的なものと捉えています。
つまり、上記8つの段階はあくまで目安の時期で、人によってはさまざまであるということなのです。
3-3.アイデンティティクライシスとモラトリアム
アイデンティティクライシス(アイデンティティの危機)は、自我発達段階の中で思春期(12-18才)に訪れると言われています。
思春期の段階では社会のことが分かってきたので、客観的に自分を見つめることが可能。
思春期に、人は自分を確立して生きていくためにはどうすればいいかを考えます。
そして自分のアイデンティティを確立させ、人生の指針を見つけるのです。
この時期にアイデンティティを確立できないままでいると、自己嫌悪感や無力感に陥ってしまい、ものごとを主体的に選択できなくなります。
つまり、思春期はだれもが自分自身を見つけ、再定義するために必要な時期。
この大切な時期(モラトリアム)が、人には必要とされているのです。
まとめ|6つの方法を実践すれば本来の自分が取り戻せる
以上、自分のアイデンティティがわからなくなった時、本来の自分を取り戻すための有効策について解説しました。
この記事をまとめると、以下の通りです。
- 自分の行動を振り返る
- 自分の価値観を知る
- 自分の強みと弱みを知る
- 自分の考えを持つ
- 自己肯定感を高める
- 他人と自分を比べない
- エゴグラム性格診断
- ビッグフィアイブ性格診断
もしあなたが、思春期に人生の指針を示せず、アイデンティティを確立できないまま悩んでいても大丈夫です。
6つの方法を実践し、ゆっくりと時間をかけながら、本来の自分を取り戻してください。
きっと幸せな人生が待っているはずです。
