「すぐに他人の意見に流されてしまう」
「行動が消極的でハッキリと物事が言えない」
こんな風に「自分がないな。」と悩むことはありませんか?
本当は言いたいことがあるのになかなか言えなかったり、やりたいことがあるのに行動に移せなかったりして、後悔することも多いはずです。
周囲の人もそんなあなたの姿を見ていてウンザリしているかもしれません。
ここではそんな「自分がない」を克服する5つの方法を紹介していきます。
自分を持てるようになると自ら行動を起こせたり、イキイキと活発的に行動できたり、周囲の人たちの好感度を上げたりできるはずです。
1.「自分がない」人の6つの特徴
克服方法をお伝えする前に、自分がない人にはどんな特徴があるのかを解説します。
周囲の方たちには、あなたの姿がこの6つのように映っているかもしれません。
- 周囲の意見に流される
- 何でも他人に任せがち
- 行動力がない
- 人の真似をする
- 人前での発言が苦手
- 達成感を味わった回数が少ない
1-1.周囲の意見に流される
自分がない人は、周囲の意見に流されてしまいます。
なぜなら自分がない人は、自分の意見がないため、周囲に合わせて行動した方がラクだと考えているからです。
自分の意見があったとしても、発言に自信がなく責任も負えないため言い出せずに心の中に閉じ込めてしまいます。
例えばこのような状況はよくあると思います。
AかBを決める場面で、自分はBを選んでいても周囲がAを選んでいるので、自分もAに変えてしまうという経験はありませんか?
このようにして周囲の意見に流され続けることで、自分の意見や考えがどんどんなくなってしまいます。

1-2.何でも他人に任せがち
自分がない人は、何でも他人に任せてしまいます。
自分の意見が特にないので決断力が低くなり、相手に決めてもらった方がラクだと感じるのです。
また、決断力が低いので率先して物事を決断・判断するような、責任ある仕事を避ける傾向もあります。
例えば「どれがいい?」と何かを選ぶ場面で「何でもいい」と答えてしまうことはありませんか?
はたまた、グループのリーダーを決める場面で責任を負うのがイヤで、自分がリーダーにならないように祈ってしまうこともあるでしょう。
このように、他人に任せているうちに「他人に任せておいた方が、自分で判断しなくていいし責任も負わなくていいからラクに過ごせる」ということが分かってしまい、他人に任せてしまうのです。

1-3.行動力がない
自分がない人は、行動力がありません。
行動を起こすためには決断・判断・責任が生じるからです。
先述の通り自分がない人は、決断力や責任感を伴う行動を起こすのが苦手な傾向があります。
そうなると、自ら主体となって行動を起こせないため行動力も低くなるのです。
例えば、目の前に困っている人がいたとします。
自分を持っている人なら、何も気にせずに率先して助けられるでしょう。
しかし、自分がない人は「助ける」という決断を下すのに時間がかかったり、助けた後の何かしらの「責任」を感じてしまったりするので、すぐに行動に移せません。
会社で何かを提案したくても、採用されたあとの決断や責任を自分が負うと考えたら、腰が重くなり動けなくなってしまうのです。
自ら決断を下したり責任を負うことを恐れているために、行動力がなくなってしまいます。

1-4.人の真似をする
自分がない人は、人の真似をします。
これは上述の【1-1.周囲の意見に流される】と通じるところがあるのですが、決断力がないため自分で決めるより真似した方がラクだという考えからです。
自分の意見や考えがないのでこだわりも特になく、人の真似をして解決してしまいます。
例えば、憧れやリスペクトでモデルや芸能人の洋服を真似することはよくあるでしょう。
しかし、自分が着たい服が分からないからマネキンの洋服をそのまま買ってしまうというのは、自分の意見や考えといった「こだわり」がなく決断ができないためです。
もし真似をした事柄が不評でも、参考にした人へ責任転嫁できるので自分で責任を負わなくてよいという部分でも、真似をしたくなるのでしょう。
1-5.人前での発言が苦手
自分がない人は、人前での発言が苦手な傾向があります。
周囲の意見に合わせて過ごしていくうちに自分で主張する機会が減り、緊張に対する耐性がなくなってしまうからです。
もしくは、幼少期に人前で何かを失敗した経験があるため、スピーチ恐怖症や視線恐怖症といった対人不安を抱えてしまったからとも考えられるでしょう。(参考:渋谷先生の一度は受けたい授業 今日から使える心理学|渋谷昌三)
自分の意見があっても、発言ができないので心の中に閉じ込めてしまいます。
1-6.達成感を味わった回数が少ない
自分がない人は、今までの人生で達成感を味わった回数が少なかったということも考えられます。
ここまで述べてきた特徴は、自分に対しての自信の低さが原因で「自分がない」状態となってしまったものがほとんどでした。
自信があれば、他人に任せず自分でできますし、責任を持って行動を起こせますし、意見を貫き通せますし、真似をしないで済みますし、人前で発言できるでしょう。
人は達成感を味わうことで自信を付けられることが分かっており、実際に達成感を味わい自信が付いたという実験報告もあります。(参考:行動変容|津田彰 石橋香津代)
つまり、今までの人生で達成感をあまり感じられずに過ごしてきた人は、自分に対して自信が持てない状態にあり、今まで紹介したような自分がない行動をとってしまうと考えられるのです。

2.「自分がない」を克服する5つの方法
【1-6.達成感を味わった回数が少ない】でもお伝えした通り「自分がない」ことと「自信」には関係性があります。
ここからは、自信をつけることにフォーカスを当てながら「自分がない」を克服する方法を5つ解説します。
できることからコツコツと積み上げていって、自分を持てるようにしましょう。
- 成功体験を積み重ねる
- デキる人を観察してお手本にする
- 周囲からアドバイスをもらう
- 自分軸を持つ
- ここぞという場面では仲間を作っておく
2-1.成功体験を積み重ねる
「自分がない」を克服する方法1つ目は「成功体験を積み重ねる」です。
【1-6.達成感を味わった回数が少ない】でもお伝えしましたが、人は達成感を得ることで「自分にもできる」という自信をつけることができます。
そのため自信をつけるには、目標を掲げて達成し、成功体験を積み重ねることが大切です。
成功体験を積み重ねるコツは、小さい目標からコツコツと達成していくこと。
いきなり大きな目標を立てて達成しようとしてはいけません。
最初から大きい目標を立てると、目標達成までに時間がかかりますよね。
そうなると成功体験を効率よく積み重ねられません。
「起きる時間を10分早める」など些細なことから始めて、小さい目標をコツコツと達成していき成功体験を積んでいきましょう。
また、目標を立てる際には「SMARTの法則」を用いると、論理的で正しい目標設定ができるのでおすすめです。
SMARTは英単語の頭文字を取って名付けられました。
言葉 | 意味 |
Specific | 具体的な |
Measurable | 測定可能な |
Achievable | 達成可能な |
Relevant | 関係のある |
Time-bound | 達成期限 |
詳しい目標の立て方は下記サイトが大変参考になります。
小さな成功体験を積み重ねて、徐々に自信をつけていきましょう。

2-2.デキる人を観察してお手本にする
「自分がない」を克服する方法2つ目は「デキる人を観察してお手本にする」です。
友達が会社でがんばっているのを知って「自分もがんばろう」と思ったことはありませんか?
このような刺激を与えてくれる人がいると、一歩を踏み出す自信がつきますよね。
また、会社の先輩の行動を観察するのもおすすめ。
「こういうときは、こうすればいいのか」というお手本があれば実際に自分が行動するときに動きやすくなるからです。
実際に行動に移す自信が持てたら、自分を持てるようになってきている証拠になります。

2-3.周囲からアドバイスをもらう
「自分がない」を克服する方法3つ目は「周囲からアドバイスをもらう」です。
周囲から説得の言葉や励ましの言葉があると自信がつきますよね。
何かを始めたいことがあるときに不安がある際には、誰かにアドバイスをもらうとよいでしょう。
「こうすればいいんじゃない?」「あなたなら大丈夫!」とアドバイスや背中を押してもらうことで行動に移しやすくなるはずです。
このときに注意しなければいけないのは、ネガティブな意見をもらうこともあるということです。
相手にはその気はなくとも、あなたの受け取り方や相手の伝え方次第では、ネガティブな意見としてとらえてしまい、へこむこともあるかもしれません。
もらったアドバイスは、自分をさらに良くするためにかけてくれた言葉なんだとポジティブに解釈するようにしましょう。
周囲からのアドバイスや背中を押される一言をかけてもらうことで、自分に自信がついてきます。
2-4.自分軸を持つ
「自分がない」を克服する方法4つ目は「自分軸を持つ」です。
自分軸を持つことで自分の価値観が形成され、他人の意見に流されにくくなります。
自分軸とは、自分の価値観で物事を判断する基準のことです。
心理カウンセラーの根本裕幸氏は自身の著書でこのように述べています。
「自分軸で生きる」ことは、自分の心の声に従って生きるということです。
では、自分軸はどうやってつくればよいのでしょうか。
自分軸の作り方には以下の2つがあります。
- 自分の理想像を思い浮かべる
- 本当の自分を知る
自分の理想像を思い浮かべる方法は、自分が将来なりたい姿や目標としている人を想像して物事を判断するやり方。
「織田信長ならこういう場面では、こういう考え方をするだろう」といった感じです。
本当の自分を知る方法は、自分がどんなことが好きで、どんなことに魅力を感じて、どんなことを優先して生きるのかなど、自分を深掘りしていきそれに基づいて物事を判断するやり方。
「中華より和食が好きだから、食事に誘われたときには和食を提案しよう」といった感じです。
周囲の意見に流されそうになったときに、自分軸に帰ることで自分の価値観を思い出し自分で判断が下せるようになります。
そのため周囲の意見に流されにくくなり、自分を持てるのです。

2-5.ここぞという場面では仲間を作っておく
「自分がない」を克服する方法5つ目は「ここぞという場面では仲間を作っておく」です。
アメリカの心理学者ソロモン・アッシュは、人は多数派に賛同してしまう生き物だということを実験で明らかにしています。(参考:アッシュの同調実験|Wikipedia)
例えば、会議で自分の意見を通したいときや投票の場で他人の意見に流されたくないときってありますよね。
そんなときは予め自分と同じ意見の仲間を数人作っておきましょう。
仲間が自分と同じ意見だと安心感が持てて、他人の意見に流されにくくなります。
自分の意見が通れば自信を持てるきっかけになりますよね。
もしダメだったとしても、ここまでやったあなたは自分を持ち始めているに違いありません。
3.「自分がない」を克服すると得られる3つのメリット
ここからは「自分がない」を克服すると得られるメリットを3つ紹介します。
得られるメリットが分かれば「自分がない」を克服しよう!という気持ちが高ぶるかもしれません。
- 自信がついて主体性を持てる
- 目標に向かって努力することでイキイキとして見える
- 他人に迷惑をかける機会が減り人間関係が良好になる
3-1.自信がついて主体性を持てる
「自分がない」を克服すると得られるメリット1つ目は「自信がついて主体性を持てる」です。
「自分がない」を克服する方法の2-1・2-2・2-3は、実は「自己効力感」という感覚を高める方法を参考にしています。
自己効力感は、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱しました。
アルバート・バンデューラは自己効力感を以下のように定義しています。
自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること。
引用:自己効力感|Wikipedia
この自己効力感が高いほど、実際に物事を遂行できる傾向があるとしているのです。
また、日本の社会心理学者である渋谷昌三氏は著書で、自己効力感を高めると自分に自信が持てるようになると述べています。
自己効力感が高まると自尊感情も高まり、自分に自信が持てるようになるので、さらに成功を導くような行動をとれるようになります。
引用:渋谷先生の一度は受けたい授業 今日から使える心理学|渋谷昌三
自己効力感を高めれば、自分の行動や意見にも自信が持てるようになるので主体的に行動を起こせるようになるのです。
3-2.目標に向かって努力することでイキイキとして見える
「自分がない」を克服すると得られるメリット2つ目は「目標に向かって努力することでイキイキとして見える」です。
成功体験を積み重ねようと努力する姿は「自分がない」ときの自分より、やる気に満ち溢れているように見えます。
例え困難なことがあっても、目標達成のためなら自分を信じて努力し乗り越えられるように行動を起こせるのです。
その姿を見ている周囲の人達も、今までのあなたとは違う姿を見て感心することでしょう。
3-3.他人に迷惑をかける機会が減り人間関係が良好になる
「自分がない」を克服すると得られるメリット3つ目は「他人に迷惑をかける機会が減り人間関係が良好になる」です。
あなたの「自分がない」状態のときの態度や考え方は、知らないうちに誰かに迷惑をかけているかもしれません。
例えば、ごはんを食べに行くときに「どこがいい?」と聞かれたら「どこでもいい」と答えてしまいませんか?
そんなとき相手は「ちゃんと答えてほしい」「自分の意思がないのかな」と感じ、徐々に溝が深まってしまいます。
「自分がない」を克服することで、きちんと自分の意見を主張できる人になれるので、人間関係が良好になるでしょう。
4.「自分がない」を克服する方法まとめ
「自分がない」を克服する方法を5つ紹介しました。
他人の意見に流されるのも、自ら行動を起こせないのも、自分に自信がないからです。
克服する方法を5つ試すことで徐々に自信が付けられるようになります。
- 成功体験を積み重ねる
- デキる人を観察してお手本にする
- 周囲からアドバイスをもらう
- 自分軸を持つ
- ここぞという場面では仲間を作っておく
特に「成功体験を積み重ねる」を重点的に意識して、自信をつけていきましょう。
達成感を得ることで、自分にもできる!という自己効力感が高まるので、自信をつけられますよ。
自信をつけて「自分がない」を卒業し、自分の意思で物事を判断し行動できる人になりましょう。