心理学

性格は年齢を重ねても変わらない?【論文・書籍から徹底考察】

「個人の性格は年齢によって変化するのか?」
「性格を自分で意図的に変えることはできるのか?」

などの疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は筆者自身も性格に関してそのような疑問を抱いていたうちの一人です。

そこで、国内外の論文や書籍などをもとに性格と年齢の関係について調べてみました。

この記事では、同じような悩みを持つ方のお役に立てるよう、調査の結果から分かった以下の点について解説していきたいと思います。

  • 性格は年齢によって変化するのか
  • 性格を自らの意志で変化させることはできるのか
  • 性格を変えるための具体的な方法論

性格の変化に関して細部にわたって言及したので、宜しければ最後までお読みください。

※本記事の執筆においては、国内外の論文や書籍に基づいた信憑性の高いデータを使用することに留意しています。

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「性格は年齢を重ねても変わらない」は誤り

「性格=個人が生まれつき持っている変化しないもの」というふうに思われがちですが、実はその認識は間違いであることが証明されています。

近年の研究によれば、自然な性格の変化は長い年月を積み重ねることで徐々に生じてくるようです。

短期間(10年間)での性格の変化は小さい

実は、10年間で起こる自然な性格の変化はほぼみられないことが海外の心理学に関する研究によって明らかになっています。

アメリカで発表された論文では、個人が持つ性格の特性をビック・ファイブと呼ばれる5つの要素(開放性/勤勉性/外向性/協調性/神経症傾向)に分け、性格を決定する要因について考察しています。(参考論文:The Rank-Order Consistency of Personality Traits From Childhood to Old Age: A Quantitative Review of Longitudinal Studies

その論文によると、40歳から50歳に達するまでの10年間では個人が持つ性格の特性に大きな変化はなく、強い一貫性がみられたそうです。

この結果から人の性格は10年ではほぼ変わらないということが分かります。

長期間(50年間)で性格は大きく変化する

50年間

10年間では性格はほとんど変化しないものの、50年という長い年月が経過すると人の性格には変化が生じます

アメリカで行われた16歳の高校生が66歳になった時の性格の変化を調査した研究によると、66歳になった時の性格のほうが16歳の時点よりも成熟しており、安定していたとのことです。(参考論文:Sixteen going on sixty-six: A longitudinal study of personality stability and change across 50 years.

このことから、長い年月(上記の論文によれば50年間)の経過によって人の性格は自然に変化することが分かります。

また、年齢を重ねることで協調性が高まり、勤勉になるというデータも存在しています。

先にも述べたビック・ファイブという性格を構成する5つの要素の指標のうち、「協調性」と「勤勉性」の2つの要素は年齢が高いほどその数値も高いことが実験で明らかにされました。

このことから、年を取るほど周囲と協力して物事を行う能力や、一人でひたむきに何かに取り組む能力が向上することが分かります。

ちなみに、研究のデータではビック・ファイブの要素のうち「協調性」についてもともと男性よりも女性のほうが高い数値を示しています。(参考論文:ビッグ・ファイブ・パーソナリティ特性の年齢差と性差: 大規模横断調査による検討

しかし、「協調性」と「勤勉性」のどちらについても男性も年齢を重ねるごとにその性質が強くなることは実証されており、性別に関係なく年齢を重ねるごとに性格は変化すると言うことができます。

性格は自分の意志で変化させることもできる

上では性格の自然な変化について説明しましたが、実は性格は自らの意志によって変えることも可能です。

ここではその詳細なデータについて述べていきたいと思います。

2週間の意図的な介入で性格は変化する

アメリカのブランダイス大学で行われた研究によると、意図的な介入によって個人が持つ性格は望ましいものに変化させることができるそうです。(参考論文:New Research Shows 2-Week Intervention May Change Personality

この研究では被験者の性格のビック・ファイブのうち「勤勉性」と「開放性」のどちらかを高めるための実験が行われました。

具体的には、2週間にわたってスマートフォンを用いた独自のプログラムを被験者に対して提供しています。

その結果、わずか2週間で被験者の「開放性」と「勤勉性」は有意に向上し、各個人が理想とする性格へ近づくことができました。

こうした研究から、自分で意識的に性格を変えることは可能だということが分かります。

性格を変化させるのに必要な期間も比較的短く、「性格を変えるためのハードルは高くない」とも言えるでしょう。

有名な心理学者であるアルフレッド・アドラーも「性格を変えることは可能」という見解を示している

ハート

「アルフレッド・アドラー」という人物の名前を聞いたことはありますか?

アルフレッド・アドラーとは、彼の考え方を用いて書かれた「嫌われる勇気」などの書籍で日本でも一躍有名になったオーストリアの精神科医、心理学者です。

このアルフレッド・アドラーも、「性格は自らの意志で変えることができる」ことを自らの論文や書籍の中で主張しています。

アドラーの性格の定義

  • 生まれ持った固有のものではない
  • 対人関係の問題を解決するために経験の中で身に着けたもの
  • 自分が決心すれば後からでも変えることができる

このように、アドラーは性格を絶対的なものとしては捉えておらず、個人でコントロールできるものとして研究を進めていました。

参考文献:「アドラー 性格を変える心理学」著:岸見 一郎 NHK出版新書

性格を変化させるための具体的な方法

ここからは、性格を自分の力で変化させるための具体的な方法論について説明していきます。

自らの行動を変える

性格を変えるために有効な方法の一つが「自身の行動を変化させる」ことです。

行動と性格の関係性については国内外で数多くの論文や書籍が発表されています。

「ディアグラム」という30万人以上のデータに基づいた心理テスト(性格診断)の第一人者である木原誠太郎氏の著書もその一例です。

こちらの書籍では、自分の性格を理解して適切な行動をとることで「自分がなりたい自分」の性格に近づくことができると記載されています。

とるべき行動の具体的な例としては、「寝る前に今日一日の中でよかったこと・嬉しかったことを紙に書きだす」「他人の言動に対して怒りを感じたときは、腹式呼吸をして気持ちを落ち着かせる」などを挙げることができます。

このような記述がある書籍がNHKの監修のもとで出版されていることからも、「行動で性格を変えることができる」という主張の信憑性は非常に高いと言えるでしょう。

参考文献:75.5%の人が性格を変えて成功できる 心理学×統計学「ディグラム性格診断」が明かす (講談社+α新書)

現在とは違う環境に飛び込んでみる

上で述べた「行動を起こす」ことと少し重なる部分もありますが、性格を変えるためには「周囲の環境を変化させる」のも効果があります。

新潟青陵大学の教授である心理学者の碓井真史氏は、1997年の講演で以下のように述べています。

  • 性格は「自分のイメージ」によって作られるもの
  • 環境によって性格は変化する(性格は環境に適応する)
  • 環境を変えることは性格を変化させるのに有効
  •  例)所属するコミュニティの数を増やす、今の環境から離れるなど

碓井教授はNHKや日本テレビの番組にも出演しており、この理論は現在の心理学のスタンダードとなっています。

参考サイト:講演「性格は変わる、変えられる」(心理学総合案内こころの散歩道)

まとめ

ここまで記事をお読みくださり、ありがとうございました。

上記の内容から分かるように、性格は不変のものではなく、自らの人生の中で次第に変化していく性質を持っています。

短いスパンでは性格の変化を実感することは難しいものの、長い目で見れば自然に成熟して落ち着いてくるということが現代の心理学での性格に対する主な見解です。

また、性格の傾向は意図的に変えることもできるため、変化を起こしたい場合は行動によって自らの性格を主体的にコントロールしていくことが大切です。

この記事が、読んでくださった方の性格に関する理解を深める手助けとなることを祈っています。

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