「仕事も日常も失敗ばかりで、自分はなんでこんなにダメなんだろう」
「友人や同僚と比べて、ダメな自分に落ち込む」
ネガティブなことがあると、自分はダメだなと落ち込むことってありますよね。
しかし、これにはちゃんと原因があったんです。
この記事では、ダメな自分に落ち込む人に向けて、その原因と、どうしたら自分を嫌いにならずに済むかを解説しています。
7つの方法を紹介しますので、できそうなものからぜひ試してみてくださいね。
ダメな自分に落ち込む生活から、今度こそ抜け出しましょう。
ダメな自分に落ち込むのはどんなとき?

原因を探る前に、あなたはどんなときに「自分はダメだ」と落ち込むことが多いですか?
代表的な3つの例を紹介しますので、自分にも当てはまっているかチェックしてみてください。
期待通りの結果を出せなかった・失敗したとき
まず、失敗したときです。
「想定していたより、よい結果を残せなかった」
「ミスをして、周囲に迷惑を掛けてしまった」
ひとつで失敗してしまうと、ほかのことでも「どうせ自分はダメなんだ」と落ち込んでしまいます。

他人から批判・指摘されたとき
次に、周囲から怒られたり、否定されたりしたとき。
たとえば、家族や上司・友人からこんな言葉をかけられたことはありませんか?
「なんでそんなこともできないの?」
「だから〇〇(あなた)はダメなんだ」
「〇〇なんて君には無理だよ」
自分では頑張っているはずでも、他人から批判されたら「自分はダメなんだな」と落ち込んでしまいますよね。


うまくできている他人と比較したとき
そして、他人と比較するときです。
あなたと同世代、もしくは同じ環境にある人がうまくいっているのを見ると、とても焦りませんか?
- 〇〇さんは今月成績が上がっていたのに、自分は全然ダメだ
- 周囲の友人の中で、〇〇していないのは自分だけだ
- 何をやっても自分は中途半端で、周りと同じようにならない
周囲の人と自分を比べてしまい、劣っていると感じると、ダメな自分に気がついて、ショックを受けてしまうんですね。


ダメな自分に落ち込む原因はなに?

なぜこんなにもダメな気分で落ち込んでしまうのでしょうか。
実は、自分が嫌になる原因は、あなただけのせいではないのです。
考えられる原因を1つずつ見ていきましょう。
自分ではどうにもいかないことを許す気持ちがないから
自分がダメだと感じるのは、必ずしもあなたに問題があるわけではなく、外的な要因である場合もあります。
- 電車が遅延して、大事な会議に参加できなかった
- ほかの部署より人手不足で、業務に手が回らず、結果的に自分の部署だけ業績が悪かった
- 本来ならできたことが、突然のケガや病気でうまくいかなかった
自分では防ぎようがないことがきっかけで、失敗や残念なごとを招くケースは数多くあるんです。
しかし、責任感が強く、完璧主義な方はこれを全部「自分ごと」と捉えてしまいます。
その結果、悪い結果を呼びこんでしまったのは自分だ、と落ち込んでしまうんです。

自分を一時的に守ろうとしているから
また「自分はダメだ」と思うのは、自分を傷つけないよう無意識に発生していることも。
- イライラを抑えるため、自分を下げて感情を爆発させないようにしている
- 「自分はダメだ」と言えば、周囲が気にかけてくれるかもと思っている
- なぜ自分はダメなのかを考えたくないから、本来の問題から自分を遠ざけている
これ以上悪い状態にならないように、無意識に行動しているとわかりますね。
そのため、自分はダメだと落ち込む裏には、別の感情が隠されているかもしれません。

自分の失敗を大きく評価してしまうから
失敗すると、他人が思うより自分を大きく評価してしまう人もいるでしょう。
これは心理学の世界で「拡大解釈と過小評価」と呼ばれています。
ものごとの重要性や意義の評価を誤ること。
例)若い時の仕事の失敗を拡大解釈し,「自分の仕事 はうまくいっていない」のように自分の業績のすべてを 過小評価する。
本当は落ち込む必要のないことでも、すべてを自分の責任だと大きく解釈してしまい、自己評価を下げてしまうんですね。
幼少期に「ダメな子」と言われてきたから
幼少期から親に言動や考えを否定されて育ってきた人は、自己肯定感が低くなり、自分をダメだと思いこんでしまいます。
「あなたは◯◯ちゃんよりできないんだから、そんなことを言わないの」
「何をやらせても、おまえはダメだな」
「やってもどうせできるわけがない」
夢や目標・考えを否定的な言葉とともに、実現から遠ざけようとしてくる人が周囲にいませんでしたか?
あなたを邪魔してくる存在は「ドリームキラー」と呼ばれています。
ドリームキラーは、認知科学者の苫米地英人(とまべち ひでと)さんが提唱した心理用語です。
彼らは、家族や友人など身近なところにいることが多いでしょう。
ドリームキラーがあなたの周りにいるせいで、「自分はダメだ」と思い込まされているのかもしれません。


心の病気になっているから
そして、病気が原因で「自分はダメだ」と落ち込んでしまう人もいます。
自分はダメだと感じる以外にでも、以下に当てはまる方はその可能性があるんです。
- 自分では丁寧に話をしているつもりであるが無礼あるとか、理解していないといわれる ・相手がついている嘘や悪意がみぬけずに信じ込んでしまう
- 伝えたいことがあるがなかなか言葉で表現することができない
- 話し方が堅苦しいといわれることがある
- 相手と話しをするときに相手のめをみて話すことができない
- 興味の幅がせまく、他のひとに関心をいだけない
- 悪意がないのであるがついつい本音をいってしまい、相手との関係が悪くなる
- 相手のことをみていてもそのひとがやろうとすることなどを想像することができない
- 突然のスケジュールの変更などがあるとパニックになってしまう
- 物音などがたえずきになる
- 関係のない数字などにこだわってしまうことがある
- 計画性を要する仕事で順序だてて行うことが苦手である
- 約束やスケジュールをわすれてしまうことが多くある
- やらなければいけない課題を先送りしたりやらなかったりすることが多い
- 長時間すわっていると手足をもぞもぞしたりそわそわして落ち着きがないことが多い
- あまりにも過度に活動的となったり、なにかをせずにいられないことが多くある
引用:千葉駅前心療内科
いくつも自覚があった場合は、大人の発達障害なども疑われます。
<発達障害のイメージ>
引用:厚生労働省
ほかにも不調を抱えていたり、つらい気持ちが強かったりする方は、一度クリニックを受診してみるのもよいでしょう。
ダメな自分に落ち込む・認めるのが難しい人に試してみてほしい7つのこと
では、どうしたらダメな自分に落ち込む状態から、抜け出せるのでしょうか。
ここからは、自分を認められない・嫌だと思ってしまう人に、試してほしいことを7つ紹介します。
できそうだと思ったものから、順序にかかわらずトライしてみてくださいね。
自分を取り巻く環境から改善する方法
まずは、内面ではなく、自分が置かれている環境から改善してみましょう。
今日からでも、すぐに取り組めるものもあります。
ぜひ実践してみてください。
生活リズムを整える
まずは、日々の生活習慣を見直してみましょう。
チェックする項目はこちら。
「はい」「いいえ」で答えてみてください。
- 毎日同じ時間に布団に入り、睡眠を取れているか
- 睡眠の質を高める運動習慣はあるか
- 就寝時間の2〜3時間前に入浴できているか
- 朝に日光を浴びているか
- 寝る直前まで部屋の蛍光灯は付いているか
- 朝食は食べているか
- 寝る直前に食事を取っていないか
- カフェインやニコチンを就寝の5〜6時間前に取っていないか
- 昼〜夕方前に昼寝を15分程度取っているか
規則正しい生活は、自律神経やホルモンバランスを整えて、生活習慣病を防ぐだけでなく、ストレスがたまることも防止してくれます。
上記の項目で「いいえ」が何個もあった方は、どれかを改善すれば、落ち込む気分も和らぐかもしれません。

他人との比較できるものを見ないようにする
次に、他人と比べて落ち込みがちな人は、比較できるものを意図的に避けるのも手です。
たとえば、こんなものが考えられるでしょう。
- 業績や成績
- 他人のSNS
- 同年代の有名人やインフルエンサーの活躍 など
スマホやテレビ、本、そして人から見聞きするものでも、結果が示されると、「自分と比べてこの人はいいな」とつい比較してしまいます。
そのため、強い意志を持って情報を遮断しましょう。
他人に反応してしまう理由や重要性は、僧侶の草薙龍瞬(くさなぎ りゅうしゅん)さんも書籍で示しています。
まだ自分を肯定しきれていないから、自分に納得できていないから、自分の価値を確認するために「比較」しているのではないでしょうか。
引用:草薙龍瞬『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』KADOKAWA/中経出版、2015年
短い期間でも、見なくてもよいものから離れてみるのは、案外気持ちもラクになるものですよ。

仕事環境を変化させる
そして、ちょっと勇気が必要かもしれませんが、本気で自分を変えたいなら、新しい職場に飛び込んでみるのはいかがでしょう。
ストレスの根源である場所や環境そのものを変えてしまうんです。
- 転職
- 部署変更
- 引っ越し など
環境が変われば、気持ちもスッキリして、新鮮な気持ちでやり直せるかもしれません。


自分の内側・心理から改善する方法
そして、外側の環境ではなく、自分自身の心理状態を見直す方法もあります。
いずれも「ダメな自分」を無理に認めるものではなく、ほかの部分に注目する方法です。
自分がこれまでやってきたことや成長に目を向ける
自分はダメだと落ち込む人は、つい、できていないことばかりに目を向けがちです。
しかし、あなたにはきちんとできていることもあります。
- 毎日職場で働いている
- 家事をしている
- 怒られながらも続けている
ダメな自分を無理に受け入れなくてもよいので、まずは、できていることを探してみましょう。
どんなに小さなことでも大丈夫です。
できていることを何個も思いついた方は、「ダメな人」ではありません。
自分は幸せであり、よくやっていると甘やかす
次に、自己暗示していくこと。
「自分はダメじゃない」
「自分はなんだかんだ周りに恵まれているし、幸せだ」
「失敗もあるけど、よくやっているほうだと思う」
これでもか、というほど自分を甘やかしてみてください。
最初は「そんなのできない」と感じるかもしれません。
しかし、一度やってみれば、意外に褒める言葉が浮かんでくるものですよ。
どうせ人には気づかれないのですから、思いっきり自分を心の中で褒めてあげましょう。

結果より過程や自分の取り組みを評価する
「自分はダメだ」と感じる人の特徴として、「結果」を重視することが挙げられます。
数字や見た目で結果が出てしまうと、これまでの取り組みも全部ムダだったと感じてしまいますよね。
しかし、そんなことはありません。
あなたはその結果に結びつくまでに、きちんと努力してきているんです。
そのため、結果よりも「取り組みそのもの」や「結果に至るまでの過程」に目を向けてみましょう。
- 顧客を獲得するまでにやったこと
- 売上を増やすために、企画を考えた
- 途中で誰かに評価される場面があった
自分では失敗したと思っていても、それまでの取り組みは「失敗ではない」ケースも多いんですよ。

自分を評価してくれた人の言葉を思い出す
そして最後に、自分によい言葉をかけてくれた人のことを思い出してみること。
自分ではダメだと思っていることでも、人から見たら「ダメではない」こともあります。
「自分はダメだ」と感じる人は、失敗やうまくいかないことに目を向けがちです。
そこで、過去にあなたを評価してくれる人がいなかったかを振り返ってみてください。
「かっこいいじゃん」
「すごく上手!」
「いいね!」
必ずあなたを褒めたり、肯定してくれたりした人がいたはずです。
どんなときに嬉しかったかを頑張って思い出してみましょう。


ダメな自分に落ち込む人がやってはいけないこと

そして、ダメな自分に落ち込むのを改善しようとして、ついやってしまうマイナス行動もあります。
そこで最後に、自分はダメだと落ち込む人が「やってはいけないこと」を紹介いたします。
あなたもどれかを無意識におこなっているかもしれません。
ぜひ自己分析しながら、チェックしてみてください。
自分を否定する人と深く関わらない
自分を否定してくるドリームキラーが身近にいる場合は、その相手になるべく引っ張られすぎないようにしましょう。
たとえば、純粋にその人と距離を置くだけでなく、自分について話さないことも「深く関わらない」と捉えられます。
- 目標を語らない
- 夢を教えない
- 自分の考えを深く話さない
夢や目標を話しても、ドリームキラーはあなたを応援してくれません。
むしろ、彼らはあなたがうまくいくことを邪魔して、失敗するように促すとも考えられるでしょう。
勇気を出して、関わらない選択をすることも、自分を変えるためには必要です。



うまくできている他人を変えようとしない
ダメな自分に落ち込むときは、うまくいっている他人がうらやましく、ねたむ気持ちも芽生えるかもしれません。
しかし、相手が悪い方向へいくように仕向けたり、状況を変えようとしたりするのは、逆効果です。
変わる必要があるのはあなた自身ですので、他人の状態を変えても、落ち込む気持ちは消えません。
むしろ、罪悪感などマイナスな気持ちがさらに増えて、今より深刻な精神状態が待っています。
他人がうまくいっていて悔しいと思っても、相手をねたんだり、恨んだりすることは避けましょう。

ポジティブな精神論に頼りすぎない
「ダメな自分に落ち込む気持ちを改善するには、とにかくポジティブマインドが大切!」
こんなアドバイスをする方も、ときには現れるでしょう。
しかし、精神論に頼っても、また失敗したら振り出しに戻るだけです。
ポジティブな精神論で自分を助けるのは、その場しのぎにしかなりません。
落ち込む気持ちを根本から改善するには、行動が一番です。
「思う」だけではなく、こうなったらいいのになと感じることを実際に行動に移していきましょう。

評価や業績を自分の存在価値だと思わない
最後に「結果」が自分のすべてだと思わないことです。
目に見える評価や成績だけが、あなたの存在価値ではありません。
自分の価値は、結果以外にも多くありますよ。
また、それを評価してくれる人もあなたの周りにはちゃんといます。
自分の存在価値を狭める=自己理解が不足している
きちんと自己理解して完璧主義から脱却できる人は、憂うつな気分からも開放されるんです。
これは、認知行動療法の第一人者である、デビッド・D・バーンズさんも書籍で述べています。
ダメな自分とじっくり向き合って、行動しながら改善を目指しましょう。

ダメな自分に落ち込んで嫌いになる気持ちは自分にしか解決できない
だめな自分に落ち込む人に試してほしいことを7つお伝えしました。
- 生活リズムを整える
- 他人と比較できるものを見ない
- 職場環境を変える
- 自分の成長を振り返る
- よくやったと褒める
- 結果より過程を評価する
- 自分を肯定した人の言葉を思い出す
まずは、外的な要因を見直して、自分を理解する環境を整えることからです。
自己理解が深まれば、次に行動すべきことも見えてきます。
また、ダメな自分を責めるだけはなく、ときには「褒める」ことも大切。
そして、同じ失敗をくり返さないようにひたすら行動していきましょう。
あなたの落ち込む気持ちが少しでも軽くなって、自分を受け入れられる日が来ることを願っています。
