「自分を偽って生活することに疲れた…」
そう感じていませんか?
アイブリッジ株式会社の調査では1000名の人が、職場や家族・友人など、様々な場面で嘘をついて自分を偽ったことがあるようです。

誰しも一度は嘘をついたことがあると思いますが、自分を偽り続けるのは疲れますよね?
本記事では、自分を偽ることに疲れたあなたへ向けて、自分を偽るメリット・デメリットや自分を偽らないようにする対処法を解説します。
ありのままの自分で生きられると、スッと肩の荷が降りますよ。
なぜ自分を偽ってしまうのか?自分を偽る5つの心理

ありのまま生きた方がラクなのに、なぜ自分を偽ってしまうのでしょうか?
自分を偽ってしまうのは、いくつかの心理が関わっています。
今回は、自分を偽る心理を5つ紹介します。
心理がわかると、対処もしやすくなりますよ。
周りの目を気にしている
周りの目を気にしていると、「自分の意見を出すとどう思われるかな…」と思い、自分を偽ってしまいます。
「周りと同じが正義」という、日本特有の国民性とも言われるものですね。
しらべぇのアンケートによると、約6割の人は他人の目が気になると答えています。

出典:他人の目を気にしながら生きている人が多数も… 年齢とともに開き直る傾向に
他人の目を気にすること自体は悪くないですが、”気にしすぎる”と自分を偽る原因になってしまいます。
極度に周りの目を恐れないようにしましょう。


自分に自信がない
自分に自信がないと、自分の言っていることが正しいか迷ってしまい、自分の意見を言えないことがあります。
「間違ってたらどうしよう…」「恥ずかしいな…」「嫌われたくないな…」
様々な思いが出てきて、結果的に自分を偽ってしまいます。
マキアのアンケートでは、自分に自信を持っていると答えられたのはわずか15%でした。
自分に自信がない人が多いようです。

出典:自分に自信がない人が急増中!? 「自己肯定感」の保ち方について考えてみた
自分に自信がないと、自分を偽る原因になってしまいますよ。

失敗を恐れている
失敗したくないから自分を偽って、「失敗したとしても自分が失敗したわけではない」と思いたいという心理です。
JMAMの調査では、失敗を恐れずに取り組むべきと思っていても、7~8割の人は失敗したくないと思うようです。

「失敗なくして成功なし」なので、失敗を恐れることはありません。
失敗を恐れて自分を偽っていては、いつまでも成長しませんよ。

トラウマがある
過去に自分のせいで悪いことがあったなどのトラウマがあると、自分を偽ってしまう原因になります。
例えば「告白したらヒドイ振られ方をされた」や「おねだりばかりしていたら親に置いて行かれて怖い思いをした」などです。
このようなトラウマがあると、「自分の気持ちを出したらダメなんだ」と思うようになり、自分を偽ってしまいます。
責任を負いたくない
自分の意見を出して、もし失敗したら責任を負わなければいけません。
それが嫌で自分を偽っている人もいます。
偽った自分の意見は本当の自分の意見じゃないと認識しているので、責任がないと考えているのです。
実際はそんなことないのですが、自分の中で逃げ道を作っているんでしょうね。
識学総研のアンケートでは、「出世に興味がない」と答えた人が最も多く、全体の約38%という結果になりました。
その理由は、「責任を負いたくない」や「プライベートを大事にしたい」というものでした。

出典:出世や昇進をしたくない若者が増加?断り方や今後のキャリアプランまで解説
“責任を負いたくない”のは誰しも同じだと思いますが、それで自分を偽ってしまうと今後の人生に良い影響があるとは思えませんね。

自分を偽ることであなたが得ている唯一のメリットとは?

自分を偽ることで得られるメリットはたった一つだけあります。
それは「嫌われることが少なくなる」ことです。
自分を偽って相手の好きなように振るまっているので、嫌われることは少ないでしょう。
人間関係も円滑になるかもしれません。
しかし、自分を偽って築き上げた関係はそう長く続くことはありません。
自分を偽ることで起きる疲労感や自己嫌悪と比べると、得られるメリットはあまりに少ないのではないでしょうか…

知らないうちに受け入れている自分を偽る4つのデメリット|だから疲れた毎日に

自分を偽ることで発生するデメリットを4つ紹介します。
知らないうちにこのデメリットを受け入れているから、疲れた毎日になっている可能性があります。
自分と向き合って、「知らず知らずのうちに受け入れてないかな…」と考えながら見てみましょう。
ストレスがたまる
自分の素を出せないのはかなりストレスです。
上司と行く飲み会より、地元の友達と行く飲み会の方がストレスフリーで楽しめますよね。
PRTIMESのアンケートでは、ストレスを感じる原因の76%は人間関係と回答しています。

出典:仕事でストレスを感じる瞬間ランキング!男女500人アンケート調査
主に自分を偽る理由は人間関係を円滑にしたいためなので、自分を偽ることがストレスの原因になってしまうのはデメリットでしょう。
本当の自分がわからなくなる
自分を偽ってばかりいると、本当の自分がわからなくなってしまいます。
よく俳優さんも「役が抜けない」なんて言いますよね。
自分ではない誰かを演じ続けると、いつの間にかその”誰か”が自分になってしまうのです。
そうすると、本当の自分がわからなくなり、自分に価値を見出せなくなってしまいます。
“自分の魅力がわからなくなる”というのも大きなデメリットですね。

自己嫌悪に陥ってしまう
「自分を偽る=嘘をついている」ということです。
嘘をつき続けることに耐え切れなくなって、自己嫌悪に陥ってしまう人もいます。
他人との関係を気にして自分が壊れてしまっては元も子もないですよね。
感情を抑制することに関しての論文では、嘘をついているという感覚は自己嫌悪に加え、他社との関係も疎遠になってしまうと述べています。
抑制は個人内に不一致や矛盾の感覚を作り出し(Rogers,1951)、こうした自分自身にも他者にも誠実ではないという感覚が自己についての陰性感情を生じさせるだけでなく、他者との関係を疎遠なものにさせることになると考えられる。
引用元:感情抑制傾向尺度の作成の試み―― 尺度の開発と信頼性・妥当性の検討 ――
やはり嘘をついていいことはないですね。

体調を崩してしまう
実は、自分を偽ることと体調を崩してしまうことが関係しているんです。
例として、客室乗務員(キャビンアテンダント)の話があります。
客室乗務員は、基本的に笑顔でお客さんと会話しなければいけません。
しかし、客室乗務員の仕事をしている人全員が、普段からニコニコしていて会話が好きなわけではないですよね。
一人になったら疲れた顔もするし、誰ともしゃべりたくないときもあります。
でも、仕事の時はニコニコして会話しなければいけません。
これは、自分を偽って振るまっていると言えるでしょう。
このように、客室乗務員のような自分と違うキャラを演じなければいけない(自分を偽らなければいけない)仕事をしている人は、体調を崩しやすかったのです。
参考:A.R. ホックシールド (著), Arlie R. Hochschild (原著), 石川 准 (翻訳), 室伏 亜希 (翻訳)(2000)「管理される心―感情が商品になるとき」世界思想社
自分の健康が奪われてしまうのは大きなデメリットですね。
体調不良が多い人は要注意です。
偽りのキャラを捨て本当の自分で生きる6つの方法

ここまで自分を偽ることのメリット・デメリットを見てきて、自分を偽らない方がいいと感じたはずです。
では、自分を偽らず本当の自分で生きていくためにはどうすればいいのでしょうか?
すぐに行動できるものを6つ紹介します。
嫌われてもいいと認識する
自分を偽る大きな理由は、「嫌われたくないから」という人も多いと思います。
嫌われてもいいんです。
これをまず認識しましょう。
目の前の人に嫌われたくないという思いは、誰しも持つと思います。
しかし、世界には約78億人います。
日本だけでも約1億2000万人いるんです。
目の前の1人に嫌われたから人生終わるという人は、ほぼいないでしょう。
たとえ嫌われて1人友人が減っても、また1人新しい出会いがあります。
「嫌われてもいい」と思えると、少しラクになりませんか?
まずは、嫌われてもいいんだということを認識してみましょう。
なかなか考えられない人は、以前まとめた記事がありますので、そちらを見てみてください。

また、岸見 一郎さん、古賀 史健さんの著書「嫌われる勇気」も考えの参考になりますよ。
自分の意見をはっきり言う
自分の意見をはっきり言うようにしましょう。
「自分の意見=本当に自分が思っていること」なので、素の自分で生きるには必要なことです。
嫌われてもいいと認識できていたら、自分の意見も言いやすいですよね。
「他人に流されやすい」「自分の意見を言えるようにしたい」という人は、こちらの記事を参考にしてください。

自分を出せる場所を作る
「会社でも家でも友達の前でも、全部素の自分でいれる!」という人は少ないと思います。
しかし、自分をさらけ出せるコミュニティを一か所でも持っておくことは大事です。
地元の友達でもオンライン上のコミュニティでも構いません。
そういう場所が一つあると、たとえ他で嫌なことがあったとしても自分らしく入れる場所があるので、自分を偽らずに済みます。
「あの場所があるから、最悪ここで嫌われても大丈夫」と思えるんですね。
自分を出せる居場所の作り方がよくわからない人は、こちらの記事を参考にしてください。

一人の時間を作る
コミュニティを持つことは大事なのですが、一人の時間も作るようにしましょう。
自分と向き合う時間を定期的に作って、無理をしていないか確認することが大事です。
一つのコミュニティに依存しすぎると、そこでまた自分を偽ってしまう可能性がありますからね。
一人になって、「今自分は無理していないか」、「自分を偽らずに素で生活できているか」をセルフチェックしてみましょう。


自己肯定感を高める
自分を偽ってしまうのは、「自分に自信がないから」も大きな理由の一つです。
そういう人は自己肯定感を高めてみましょう。
「ありのままの自分でいいんだ」「今の自分にも魅力はあるんだ」と思うことは、スッと肩の荷を下ろしてくれます。
自己肯定感の上げ方がわからないという人は、下記の記事を参考にしてください。


1日1回は自分を褒めてあげる
自己肯定感を高めることにつながってくるのですが、自分で自分を褒めてあげることも効果的です。
ありのままの自分でいいんだと感じることで、自分を偽らなくてもいいんだと思えるようになります。
1日1回、例えば寝る前に自分を褒めてあげるなど、タイミングを決めると実行しやすいですね。
まとめ:自分を偽ることに疲れたら一歩踏み出してみよう
自分を偽って生活することには、メリットもあることにはありますが、はるかにデメリットの方が多いです。
とはいえ、「自分を偽らず生きるにはどうすればいいんだよ!」と思う人も多いでしょう。
しかし、しっかり原因を把握して行動に移せば、自分を偽らずに生きていくことができます。
本記事で紹介した、自分を偽らずに本当の自分で生きていく方法を参考にして、偽りの仮面を取ってみてください。
自分らしく生きられるようになると、日々の生活がラクに楽しく変化していきますよ。