みなさんは、自分より仕事ができる後輩に劣等感を感じてしまったことはありませんか?
「後輩の方が仕事ができて、自分がみじめに感じる…」
そんな劣等感は、仕事に悪影響を与えてしまいます。
実際に年下の社員が自分より役職が上、つまり仕事ができると気にしてしまう人も多いようです。
では、なぜ気にしてしまうのでしょうか?
それは、「自分の方が仕事ができなければいけない」と思っているからです。
それを解消していけば、もう劣等感を持たなくて済みますよ。
今回は、仕事ができる後輩に劣等感を抱いてしまう理由と、その対処法について紹介します。
この記事を読んで、自分より仕事ができる後輩に劣等感を抱かず、うまく付き合っていけるようになりましょう!
仕事ができる後輩に劣等感を抱いてしまう3つの理由

劣等感を抱いてしまう理由は大きく3つあります。
まずは理由を知ることで、劣等感への理解を深めていきましょう。
1.自分の理想とかけ離れているから
一つ目の原因は、現状が理想の自分とかけ離れていること。
例えば、「もっと売り上げをあげたいのに目標に届かない…」「今ごろ管理職でバリバリ働いているはずなのに現状はまだ平社員…」などです。
そんな思いは劣等感を生みかねません。
劣等感と自分との関係について、以下のような論文の一文があります。
劣等感を強く感じている者は,自分自身の個性を尊重して主体的に行動することが難しく,他者とよりも自己自身との関係に悩んで葛藤を生みやすい状況にあり,相対的に個が確立されていないと考えられる。
引用元:劣等感とその補償について : 質問紙とTATを用いた調査より
さらに、後輩が自分の理想に近いと「こうなりたかったのに…」と、なおさら自分の理想とのギャップに悩んでしまいます。


2.上下関係という考え方
学生時代から植え付けられている、上下関係という考え方も劣等感を抱く原因になります。
「後輩より仕事ができなければならない」「いつでもアドバイスする立場でいなければならない」
この考えは自分を苦しめてしまいますよ。
嫉妬について、大嶋信頼さんは次のように言っています。
嫉妬するのにも条件があるのです。それは、「相手が自分よりも<格下>のはずなのに、自分よりも優れたものを持っている、または賞賛を得る」こと。
出典:大嶋信頼(2018)『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』すばる舎
「後輩は自分より仕事ができないはずなのに、自分より仕事ができる」という事実が、嫉妬から劣等感につながっていくんですね。
3.周りの目を気にしている
周りの目を気にして、「仕事ができないと思われているのではないか」と感じることも劣等感につながります。
以下は、20代は半分近く、30代以降も一定数、他人からの評価を気にしているというデータです。
実際に聞いたわけではないのに、「こう思われているのではないか」と他人の目を気にしすぎることもあまりよくないですね。

仕事ができる後輩に劣等感を抱かない考え方3つ

では、劣等感を抱かないためにはどうすればよいのでしょうか?
まずは、考え方から変えていきましょう。
1.上下関係という考え方を変える
上下関係という考え方は、最初に変えた方が良いですね。
なぜなら先ほども出てきましたが、自分より格下なのに優れた能力を持っていると思うことが、嫉妬や劣等感につながるからです。
例えば、イチロー選手に劣等感は抱きにくいですよね?
それは、イチロー選手のことを自分よりも優れていると認識しているからです。
後輩に自分より優れているところがあるのは、決して不思議なことではありません。
先輩後輩関係なく、お互いの良いところは認め合った方が会社的にも良い方向に進むでしょう。
実際、星野リゾートの社長・星野佳路さんはフラットな組織文化を掲げていて、先輩後輩や役職関係なく、フラットに関われる環境を作って会社を立て直しました。
なので、上下関係という考え方を見直せれば、自分にも会社にも良い影響を及ぼします。
2.過去ではなくこれからに目を向ける
「なぜ自分はあの後輩より仕事ができないんだろう…」と過去に目を向け、落ち込むのはやめましょう。
なぜなら、過去に目を向けて落ち込むことは、劣等感をさらに大きくしてしまう可能性があるからです。
心理学者・アドラーの考え方の一つに「目的論」というものがあります。
これは、人の行動は過去ではなく、未来の目的で決まるというものです。
この目的論に対し、こんな一文があります。
よりよい方向に向かおうとするなら、有用な目的を設定することに注視するのが最も重要で、過去にとらわれる必要はない
出典:星 一郎(2014)『面白くてよくわかる!アドラー心理学』アスペクト
過去にとらわれず、「どうしたらあの後輩より良い仕事ができるだろう」と未来に目を向け、考えることの方が自分のためになるということですね。

3.「仕事ができる」以外のところで尊敬されることを目指す
何も仕事ができることだけが、先輩に求められることではありません。
尊敬するポイントは、人柄や雰囲気の部分も多いんですよ。
出典:尊敬する上司の傾向、上司に求めることは?若手は親身な業務のアドバイス、35歳以上はリーダーシップ。―『エン転職』ユーザーアンケート調査 結果発表―
なので、誠実な対応や相談に親身になって乗るなど、「仕事ができる」という部分以外で先輩として尊敬されると、うまく付き合っていけますよ。

仕事ができる後輩とうまく付き合っていく具体的な行動3つ

最後に、具体的な行動を紹介していきます。
1.積極的に仕事を振る
仕事が出来る後輩には、積極的に仕事を振りましょう。
そうすると、部署や会社全体で仕事がスムーズに進み、仕事を割り振っているあなたも評価されます。
決して、自分ですべて仕事をこなそうと思わなくてもいいんです。
元リクルート社員だった伊庭正康さんも著書でこのように言っています。
リクルートで初めてリーダーになった頃、1人で頑張りすぎたため、かえって部下のやる気や主体性を奪っていたという苦い経験があります。
出典:伊庭正康(2020)『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ』PHP研究所
人にはそれぞれ役割があるので、苦手なものは得意な人にやってもらい、自分の得意なことに集中するのが良いですね。
2. 後輩に質問する
後輩に先輩が聞いてはいけないなんてことはありません。
そんなルールを設けている会社はおそらくないはずです。
後輩に質問したら、うまく業務をこなすコツを聞けるかもしれません。
そうすれば、自分の仕事の質があがり、今後にプラスに働くはずです。
後輩だから…と尻込みせず、どんどん聞いてみましょう!
3.他の後輩と同じように接する
他の後輩と態度を変えないことも大事です。
先ほどもありましたが、人柄や雰囲気で先輩を尊敬するということがあります。
仕事のできる後輩だけ冷たく接したり違う態度を取ってしまうと、他の社員がそれを見て、評価が下がってしまうかもしれません。
それは、あなたとしては良くないことですよね。
尊敬されるためにも、意識して同じ態度で接するようにしましょう。

まとめ:仕事ができる後輩とうまく付き合っていこう
仕事が出来る後輩に劣等感を抱かないためには、考えや行動を見直すことです。
先輩がすべてできる必要はありません。
仕事ができる後輩を含め、部署・会社全体で良くなっていこうという意識で行動していきましょう!

