「資格取得の勉強がしたいのに疲れて勉強できない」
「仕事で必要な勉強をしたいがやる気が続かない」
勉強したいのに疲れてできないときって、「自分はダメだなぁ」など責めてしまい辛いですよね。
そんな状態を打破するためには、習慣化が大きなポイントとなります。
今回は、毎日忙しい社会人でも学習を習慣化していく方法をお伝えします。
社会人は疲れて勉強できない?しんどい原因3選

人材会社エン・ジャパンが1万人を対象にした社会人へのアンケートで、「学習時間は週に1~3時間未満(61%)が最多」という結果が発表されました。
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引用:「社会人の学習習慣実態調査」エン転職ユーザーアンケートより
毎日疲れて勉強できないという人は多くいるのですね。
逆に、毎日忙しい中でも時間を作って勉強に励む人もいます。
勉強する人とできない人の違いはどこにあるのでしょうか?
その大きな答えが習慣化であり、そのためのモチベーションコントロールや時間・体調管理などが重要になります。
まずは具体的な対策を確認する前に、なぜ勉強できないのか、その原因を見てみましょう。
1-1.毎日仕事の残業があって帰りが遅い
「家に帰るのが21時以降でご飯やお風呂に入ったりするとあっという間に24時・・・。」
そんな方は少なくないのではないでしょうか。
しかも、巷には睡眠時間を削って勉強に勤しむような”頑張るエピソード”が溢れています。
「自分も寝る時間を削って頑張らなければ・・・」と焦りますよね。
しかし、睡眠時間を削って勉強しても、翌日眠くて生産性が落ちるだけです。
しんどいうえに、続かなくなるので睡眠時間を削る以外の方法を考えていきましょう。
1-2.精神的・体力的な疲労が蓄積して限界
疲労といってもさまざまな種類があるのをご存知でしょうか?
疲労は大まかに3つのタイプがあるといいます。
「疲労は、肉体的疲労、精神的疲労、神経的疲労の3つに大きく分けることができます。」
「これら3つの疲労は、互いに密接に関係しており、放っておくとさらにしつこい疲労へとつながります。」
身体が疲れているならマッサージやストレッチをして筋疲労などを癒していくことが必要ですし、精神的に疲労しているのならストレスを発散する必要があります。
自分に今どんな疲労が溜まっているのかを知ることで、何を回復していけばいいかが明確になり、気持ちよく勉強に励むことができるでしょう。

1-3.効果的な学習方法を知らない
「口コミで評判のいい教材を買って勉強しているけどあまり進んでない」という方。
もしかしたらその教材があなたには合っていないのかもしれません。
もしくは、1人で勉強するよりも数人で学習した方がモチベーションが保てるタイプかも?
このあとで詳しく紹介しますが、教材や環境選びも勉強のモチベーションや集中力に関わってくる重要な要素なのです。
休日まで疲れて勉強できない社会人が学習するために必要な5つの方法

千葉科学大学の横山悟教授は論文の中で学習へのモチベーションを維持・向上させるためには4つのポイントがあると指摘しています。
- 内発的モチベーションの重要性
- 自己効力感・自己有能感・自信
- 学習内容の学習者への関連性
- 学習者による学習の自律性・自己制御
以上の4点をわかりやすく言い換えると下記のようになります。
- その学習が自発的かどうか
- 自己効力感が高い状態か
- 自分に合った最適な教材を使用しているか
- 目的→戦略→反省のルーティンを繰り返すこと
以上の4点を踏まえて、疲れて勉強ができない社会人が勉強できる人へと変わるためのアクションプラン5つをまとめます。
2-1.モチベーションの悩みから脱却!習慣化をめざそう
勉強できるようになるためには、モチベーションにすら左右されない「習慣化」をめざそうと最初にお伝えしました。
「習慣化が大事なのはわかるけどそれができないから悩んでいる・・・」
そうですよね。そんな簡単に習慣化できるのなら、苦労はしません。
フィリップ・ラリー博士による「習慣化の研究」によると、以下のような分析結果が出ています。
日常生活における習慣形成のプロセスを調べるために、96人のボランティアが12週間にわたり、同じ状況で毎日実行する飲食や活動の行動を選んだ。(略)参加者が習慣化といって良い状態に達するのにかかった時間は、18日から254日であった。
「21日間あれば習慣化する」というインキュベートの法則は大変有名ですが、実はこの法則は根拠が見つかっていません。
フィリップ・ラリー博士の研究を見ると、習慣化に必要な期間は個人差が激しいことがよくわかります。
「1日1時間勉強すると決めたけどやっぱり続かなかった・・・」
ネガティヴな感情を抱けばモチベーションが低下し、より習慣化は遠のきます。
モチベーションを一定に保つことが継続=習慣化に繋げるための重要ポイントです。
なのでまずはモチベーションを一定に保つための方法を確認していきましょう。
2-1-1.勉強目的を明確にする
今勉強したいことは何のためなのか、簡潔にハッキリと答えられるでしょうか?
「資格を取得したいから!」
「英語が話せるようになりたい!」
そういう方は、資格取得や語学勉強自体が目的になってしまっているかもしれません。
資格を取得してやりたいことは何でしょうか?
英語を話せるようになって、どんなことがしたいですか?
まずは、なぜ自分がこの勉強をするのかを改めて明確にしましょう。
ハッキリと見えたら、その目標を紙や手帳に書き出すなどして常に目のつく位置に置くようにましょう。

2-1-2.他の人の力を借りよう
誰かに勉強していることを打ち明けるといい意味でプレッシャーがかかり、やらなければならない環境を作ることができます。
もし周りに打ち明ける人がいなければ、TwitterやFacebookを活用するのもありですね。
資格の試験日を発表して敢えて怠けられない環境を作ったり、覚えた単語や例文を使って日記を発信してみるなどアウトプットにも役立ちます。
周りの目を自分にとって前向きなプレッシャーに変えて取り組んでみましょう。

2-1-3.使う教材を絞る
口コミで評判のいい教材を使うよりも自分に合ったものを使う、と先に述べました。
もしいろいろな教材を使っても勉強が長続きしないのであれば、使いやすい1冊に絞って何度も繰り返し勉強してみるのも有効です。
1冊では足りないと思うかもしれませんが、わからないことはインターネットで調べたり周りの仲間に聞くなどすると、解決できることは意外と多いものです。
それでもわからないとき、他の教材が必要になるかもしれません。
自分に必要な知識が明確になったとき、壁を乗り越えるための教材が見つかるはずです。
2-1-4.リフレッシュ策を考えておく
ただでさえ毎日忙しい仕事で疲れている身体とメンタル。
リフレッシュタイムもスケジュールに組み込んでおきましょう。
- 散歩する
- お酒を適度に飲む
- 好きなものを食べる
- 友達とショッピングをする
- 好きな音楽を聴く
自分に合った方法で休息をしっかりと取り、勉強に集中できる心身の状態を整えましょう。
2-1-5.”自分にできること”を取り組み続ける「毎日1時間勉強しようと決めたのにできなかった」
「毎日1時間勉強しようと決めたのにできなかった」
自分で決めたことが守れないと、落ち込んだり自信を失ったりしますよね。
でも、それも一つの教訓として次に生かしましょう。
習慣化に大切なことは、まずは自分のできる範囲のことを続けていくことです。
1時間で続けられなかったのなら30分、20分、10分と時間を縮めて再挑戦!
時間が短いと勉強が無意味に感じるかもしれませんが、毎日続けられる時間がわかったらとにかく継続し、少しずつ時間を延ばしていきましょう。

2-2.時間を有効活用する
夜に疲れて勉強できないのであれば、わざわざ夜にやる必要はありません。
他の時間を活用するようにしましょう。
ここでは時間を有効活用するためのアイディアをお伝えします。
「どうしても忙しくて無理!」と諦めずに一緒に時間を生み出す工夫を考えていきましょう!
2-2-1.朝晩にやるべきことを決める
脳の特性によって、朝と晩でやるべき勉強内容は異なります。
朝は脳がリフレッシュしていて、記憶やモチベーションを高めるドーパミンや、集中力を高めるアドレナリンが大量に分泌される時間帯です。
逆に夜は、1日の疲労が溜まっており、脳が働きづらい状態ですが、睡眠を取ることで記憶が定着するので、寝る前には覚えておきたいことを勉強すると効果的と言われています。
朝晩でやるべき勉強
- 朝:前日暗記したものの復習、論理的思考や創造力が必要な勉強
- 夜:暗記もの
2-2-2.スキマ時間にやるべきことを決める
日々の「ほんの数分」を無駄にしていませんか?
電車を待っているとき、会議が始まるまでの時間、歩いて移動しているとき。
合間に生まれる数分も、積み重なれば10分、20分、1時間と大きくなっていきます。
時間ができてから何をするか迷っていると、貴重な数分を取り逃してしまいますね。
スキマ時間を有効活用するためにも、前もって時間ができたときにやることを決めておきましょう。
2-2-3.ポモドーロ・テクニックを活用する
「集中力が長続きしない」という方に有効なのが、ポモドーロ・テクニックです。
ポモドーロ・テクニック(英: Pomodoro Technique、ポモドーロ法)とは、時間管理術のひとつ。 1980年代にイタリア人のフランチェスコ・シリロによって考案された。
このテクニックではタイマーを使用し、一般的には25分の作業と短い休息で作業時間と休息時間を分割する。
引用:「ポモドーロ・テクニック」Wikipedia
とりあえず25分間頑張ればいいので、精神的なハードルも低くなり、一気に集中できます。
スマホのタイマー機能を使えば誰でもすぐにできますが、最近はYouTubeでもポモドーロ・テクニックができるようにタイマーの動画をアップしてくれている方もいます。
自分で使いやすい動画を探して取り組んでみましょう。
2-3.自分に合った学び方(環境やアプリ)を知る
モチベーションを維持するために、自分の生活リズム、性格にあった学習環境を選びましょう。
先にお伝えした教材だけでなく、最近では学習に便利なアプリも多々あります。
なかなか勉強ができない状況が続くようなら、以下を参考に自分にあった勉強ツールや環境を見直してみるのもよいでしょう。

2-3-1.専門スクールや通信講座などに申し込む
スクールや通信講座は、多くの人に専門の教養を教えてきたプロ集団です。
どのような順番でどのような内容を勉強していけば学びやすいかを知っていますので、効率よく学習ができます。
学校のように通う環境であれば、一緒に目標を持った仲間もできて、モチベーションを高く保てるでしょう。


2-3-2.YouTubeなど動画で学ぶ
最近は、専門家がYouTuberとなってオンライン講座のような形式の動画がたくさんあります。
知識だけでなく、勉強テクニックまで教えてくれるような動画もありますので、まずは自分が学びたいものを検索して見てみるのも良いでしょう。
質問があればコメントで書き込むこともできるので、無料版スクールと言っても良いですね。
これを活用しない手はありません。
2-3-3.アプリを活用してみる
学習に便利なアプリもたくさんありますのでぜひ活用していきましょう。
アプリはスマホにダウンロードすればすぐに開けるので、スキマ時間の活用に役立ちます。
また、自分の時間を管理してくれるスケジュール系のアプリもおすすめです。
自分がどんなことに時間を割いているのかが振り返って見ることができるので、勉強の時間を捻出するのに役立ちます。
モチベーションを維持してくれるようなアプリもありますので、活用しながら習慣化に役立てましょう。
モチベーションやスケジュール管理をしてくれるアプリ4選
▼TIME HACKER(iPhone)(Android)
今自分が何をしているのか、ボタンをクリックすると時間を計上してくれる。後から何に時間を使ったのかがわかるため、時間のマネジメントに便利です。無料かつシンプルで使いやすい点も人気の秘訣。
▼みんチャレ(iPhone)(Android)
「三日坊主防止アプリ」として、同じ目標を持った人同士でチームを組んで、励まし合うことができるコミュニケーション型アプリ。同じ目標を持った人が周りにいないという方には特におすすめ!
▼継続する技術(iPhone)(Android)
目標を一つだけ設定し、毎日やるべきことをクリアすると褒めてくれたり、継続するための情報を提供してくれるという応援アプリ。褒めてくれるだけか、と侮るなかれ。口コミの評価がかなり高いです!広告もなく使いやすいのもポイント。
▼Donelist(iPhone)(Android)
To Do Listのようにやるべきことを挙げて消化していくのは同じですが、完了ボタンを押していくとスタンプが積み上がっていき、今までの頑張りが可視化されていくというアプリです。シンプルで使いやすくて好評です。
2-3-4.オーディオブックを活用する
歩きながら勉強や読書ができるオーディオブック。
日中の移動時間を有効活用するためにも必須サービスといってよいでしょう。
まだ使ったことがない方は、何を選んでよいかわからないかもしれませんが、まずは作品数が業界トップクラスの「Audible」を選ぶのが無難です。
2-4.勉強は健康あってこそ!体調管理は基本のキ
忙しい人ほど、睡眠時間や食事を適当に考えがちです。
しかし、体調管理は、人生を走り抜く上での基礎とも言えます。
特に疲労は学習だけに限らず全てのモチベーション低下にも繋がるものです。
ここでは、身体を健康に保つための具体的な管理法をお伝えします。
2-4-1.湯船に使って入浴する
忙しい毎日を過ごしていると、湯船に浸からずシャワーだけで済ませてしまう人が多いのではないでしょうか。
湯船に浸かると疲労回復に繋がり、睡眠にもいい影響を与えてくれます。
リラックスに専念して頭も身体を癒すもよし、オーディオブックなど流して勉強しながら半身浴するもよし。
入浴時間をしっかりと確保して、有意義に過ごしましょう。
2-4-2.最適な睡眠時間を確保する
NHKが5年に1度行っている「国民生活時間調査」では、国民全体の1日の睡眠時間は、平日7時間12分で、男性40〜50代は6時間台と短いというデータが出ています。(引用:「国民生活時間調査・2020」NHK)
しっかりとした睡眠は、体調管理の基本です。
しかし、闇雲に長く寝ればいいというわけではありません。
『ハーバード集中力革命』の著者であるエドワード・M・ハロウェルは、最適な睡眠時間は個人差があることを前提とした上で、目覚まし時計などを使わずにどれだけ眠れるのか試してみると、自分に合った睡眠時間がわかると述べています。(
それでもどうしても睡眠時間が短くなってしまうのなら、睡眠時間を確保してから1日をスケジューリングするなどして、なるべく睡眠重視の生活を送るように心がけましょう。
2-4-3.適度に運動する
身体を動かすことも健康的な身体作りには不可欠です。
忙しくて時間がない人には、HIITトレーニングがおすすめです。
HIITとは、「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略で、負荷の高い運動と小休憩を繰り返すトレーニング法のこと。限界まで体を追い込むことで、常に脂肪が燃焼しやすい状態をキープし、体脂肪減少と筋肉増量効果を得るものです。
HIITのやり方は、20秒間の運動と10秒間の休憩を8回繰り返す(1セット2分を2セット行う)だけ。トータルで5分に満たないため、時短筋トレとしても注目を集めています。
毎日やるよりも2〜3日に1回やるほうが効果的とも言われています。
2〜3日に5分であれば時間も作りやすく、継続しやすいのではないでしょうか。
2-5.「できる!」と思えてる?大切な自己効力感
自己効力感とは、スタンフォード大学教授やアメリカ心理学会長を務めたアルバート・パンデューラが提唱した心理学用語です。
自己効力感(self-efficacy・セルフ・エフィカシー)とは?
自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること。
引用:「自己効力感」Wikipedeia
よく似た言葉に「自己肯定感」がありますが、意味は全く異なります。
- 自己肯定感:自分は生きていていいんだ、これでいいんだ
- 自己効力感:自分はできる、達成できる
この二つは生きる上で大事な要素ですが、「自分にはできない・・・」と自己効力感が低い状態でいると、勉強へのモチベーションを高く保つことはできません。
なので、「自分はできるんだ!」と思えるための行動をとっていくことが大切です。
パンデューラは自己効力感を高めるために必要なことは、以下の4つにまとめられるといいます。
- 直接的達成経験(成功体験を積む)
- 代理的経験(誰かの成功体験に触れる)
- 言語的説得(他者から評価される)
- 生理的情動的歓喜(心身共に健康でいる)
以上の4つからこれまでに触れてこなかった点をピックアップしてまとめます。
2-5-1.成功体験を積み重ねる
自分が目標にしていたことを成し遂げることにより、「自分にもできる」という自信が育まれていきます。
ただ、パンデューラは先にあげた著書の中でこのようにも話しています。
「効力感の強さには、忍耐強い努力によって障害に打ち勝つ体験が要求される。」
簡単な成功体験では自己効力感は育むことができません。
しかし、いきなり高い目標達成が難しいという人は自分にできることを完結していくことが第一歩となります。
それらを積み上げていく内に、大きな目標を達成できる自分へと成長していくのです。
2-5-2.友人や著名人の成功体験に触れる
自分と同じような環境で頑張っていた人が、何かをやり遂げたとき、人は「自分もやってやる!」「自分にもできるはずだ!」と感じ、自己効力感が高まっていくといいます。
または、人気のテレビ番組「プロフェッショナル」や「カンブリア宮殿」など大変な人生を送っている人が苦境を乗り越えていくエピソードなどにも、やる気を高めていく効果があります。
周りからの刺激を有効的に吸収し、自己効力感を高めていきましょう。
2-5-3.尊敬する人から認められる
自己効力感を高めるにあたってさらに大切なのは、周囲から褒められたり、認められたりすることです。
尊敬する人や親、会社において「あなたはできる」と認められることで、自己評価が高まり、自信に繋がっていきます。
まとめ

さて、今回は疲れて勉強できない社会人の方に向けて、勉強を続けていくための対策をお伝えしました。
まとめます。
結論:モチベーションに左右されない”勉強の習慣化”をめざそう!
解説:習慣化に必要なこととは?
- モチベーションをコントロール
- 時間を有効活用する
- 自分に合った学び方を知る
- 体調管理
- 自己効力感を高く維持
習慣化には時間が必要ですが、自分を信じて、勉強の先にある本当にやりたいことを実現しましょう。
陰ながら応援しております。
